月に存在する夢の資源・ヘリウム3、中国が独占を画策か―英紙

配信日時:2014年8月12日 6時10分
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7日、英紙タイムズはこのほど、中国が月に存在する夢の資源・ヘリウム3の独占を狙っていると伝えた。資料写真。
2014年8月7日、環球時報(電子版)によると、英紙タイムズは5日、中国が月に存在する夢の資源・ヘリウム3の独占を狙っていると伝えた。

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宇宙の初期においてビッグバン原子核合成の結果生まれたヘリウム3は、太陽風によって供給され続けているものの、地表の大気層などの影響で地球上にはごく微量しか存在していない。一方、月には太陽風から供給された数十億年分のヘリウム3が堆積している。

関係者は「ヘリウム3に対する中国の態度は日に日に真剣になってきている」と指摘する。中国の科学者らは月に存在するヘリウム3を核融合などに利用することによって、少なくとも世界全体の1万年分のエネルギーをまかなえると考えている。

中国は経済成長の持続のために大量のエネルギーを必要としているが、多くの都市の汚染は極めて深刻で、石炭採掘や火力発電などに対するさらなる代価を負担しきれなくなっており、代替エネルギーの開発が急務となっている。

台湾淡江大学の博士は最近の論文で「中国は月での採掘活動が全人類にメリットがあると考えている。一方で、競合相手が少ないことから、中国がヘリウム3の独占を狙っているのではと推測する人もいる」と記した。

ノッティンガム大学の未来学者クリストファー・バーナット准教授は、「月でのヘリウム3の採掘活動に関する前途に消極的になりすぎるべきではない。これは誰が投資するかという問題に過ぎない。定期的な選挙による制限を受けず、資金力も豊富な中国は最適な位置にある」と指摘した。

一方、月での採掘活動に疑問を呈する科学者もいる。ロンドン大学マラード宇宙科学研究所の責任者アンドリュー•コーツ氏は、「地球と月の間の輸送方式はまだ完全ではない。核融合炉もまだ実現できていない。ヘリウム3の利用はすばらしいアイデアの1つだと思うが、まだ夢物語の段階だ」と指摘している。(翻訳・編集/HA)

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