7月10日発売された佐島勤作『ドウルマスターズ』がアーマードコアのパクリではないかとTwitterで騒がれています。
発信源はここ。

1: 以下、転載禁止でVIPがお送りします 投稿日:2014/08/11(月) 17:02:49.38 ID:oCYxIro10
ドウルマスターズ
パイロットと脳髄リンクする人型特殊大型ロボットで戦う
いくつかの勢力に別れ、残された資源を求め破壊された地球で争っている
主人公は傭兵家業の学生
通称「国家解体戦争」により世界が混迷を極めている
ロボットは自由にパーツを換装できる特徴を持つ
傭兵達がしのぎをけずっている



あっ・・・

28: 以下、転載禁止でVIPがお送りします 投稿日:2014/08/11(月) 17:09:38.36 ID:CuFF0cWT0
パイロットと脳髄リンクする人型特殊大型ロボットで戦う

Allegory-Manipulate-System
ネクストACを操縦する、脊髄や延髄を経て脳とACの統合制御体が直接データをやりとりをする生体制御システム。


いくつかの勢力に別れ、残された資源を求め破壊された地球で争っている

3大勢力による人類生き残りをかけた大量のACを導入した裁決戦争、通称「ヴァーディクト・ウォー」


通称「国家解体戦争」により世界が混迷を極めている

国家解体戦争により企業が発展した世界


ロボットは自由にパーツを換装できる特徴を持つ

ロボットは自由にパーツを換装できる特徴を持つ


傭兵達がしのぎをけずっている

傭兵達がしのぎをけずっている

http://www.logsoku.com/r/news4vip/1407744169/
原作を読んでなくても、2chの箇条書きと立ち読みを読めば、パクリ認定できる!

なわけねーだろ、と思ったのでちゃんと比較したいと思います。 

まずはロボットについて。

1-1.巨大人型ロボである理由づけ

巨大ロボットものの場合、「なんで巨大人型ロボットの形で戦わなきゃいけないのか」というのが重要です。
普通に考えたら足なんて飾りですし、カッコイイからだ!という理由で通るのは胸に虎のマークを付ける程度です。
 
『ドウルマスターズ』のロボ「タイタニック・ドウル」が人型である理由はこちら。

④人型である由縁
サイクロニクス機関は搭載している機械の形状が人に近ければ近いほど効率的に作動するが、その理由はまだ解明されていない。
人の形が失われればサイクロニクスの出力は途端に低下する。頭部を切り離されると出力が7割に低下し、ほぼ戦闘不能になる。

一方、アーマードコアの場合。
そもそも人型である必要がない。ガチタンを見よ。(ガチタンの神様は見なくていい)

frfr
http://familiaseven.blog61.fc2.com/blog-entry-462.html

この人型である理由の有無から、パクリ認定の理由の一つである「ロボットは自由にパーツを換装できる特徴を持つ」意味合いが変わってきます。
タイタニックドウルはアーマードコアのような自由度はありません。武器を換装する程度。

1-2.ロボットの動力源

ロボットもので特徴になりやすい動力源について比較します。
 
タイタニック・ドウルの動力源はサイクロニクス機関。
サイクロニクスはパイロットの持つ超能力を物理干渉力に変換する電子回路です。
サイクロニクスを使っても、周囲が汚染されたりはしません。

アーマードコアの動力源は燃料電池(Wiki記述)で、アーマードコア・ネクストの動力源はコジマ粒子を使ったジェネレーターです。

1-3.防御機構

タイタニック・ドウルには防御機構として「慣性制御装置」が搭載されています。

サイクロニクス機関による慣性制御装置で発生させた「慣性中和フィールド」により、タイタニックドウルは敵からの慣性質量兵器を弱体化または無効化する。銃撃、打撃はほぼ無効化され、斬撃も接触後に加える圧力で押し切る切断力がなければ意味を成さない。

慣性制御装置によって、高機動も実現しています。

一方、アーマードコア・ネクストにはコジマ粒子を使ったプライマルアーマーと呼ばれる防御機構があります。
 
 コジマ粒子を安定還流させた防護膜(防御障壁)。
 多くの攻撃に対して、極めて高い防御力を発揮し、その威力を大幅に減衰、または無効化することができる。
 攻撃を受けることでコジマ粒子の安定還流が乱れると、防御効果は一時的に減衰するが、通常の装甲と異なり、自動的に回復する。
 欠点は、貫通効果の高い攻撃には比較的弱いことと、PA展開中のネクストは、コジマ粒子を大気中に放出し続けるため、
 周辺の環境に重大な汚染を生じさせる恐れがあることである。
 
http://monokakizouhyou.blog25.fc2.com/blog-entry-8.html

結果は似てますが、原理が大きく異なります。
慣性制御自体はロボットもので結構ある設定(トップをねらえ!やXENOGLOSSIAで出てくる)なので、慣性制御があるからパクリ、にはなりません。

タイタニック・ドウルの防御機構にはもうひとつビーム類を無効化するフィールドがあります。

サイクロニクス機関による気体分子運動制御装置と、光線撹乱粒子を組み合わせることにより粒子線兵器と光学兵器に対して有効な『防御フィールド』を形成する。

アーマードコアだとKARASAWA等のレーザー兵器がありますが、それらが効かない設定です。

1-4.武器

この防御機構の違いで、武器がタイタニック・ドウルとアーマードコアでは大きく異なります。

タイタニック・ドウルには殆ど射撃武器がありません。
作中出てくる数少ない射撃武器が、炸薬付きの投げ槍を発射する武器ガンジャベリン。 
近接武器は豊富にありますが、ドリルのような一風変わった武器が中心です。

ドウルの慣性制御システムは相手の武器の慣性も中和する。戦斧や戦槌のような勢いをつけて叩き込む重量武器は相手を上回る慣性制御力が無ければ役に立たない。重量武器だけでなく刀や槍のような武器も勢いを殺されて切断力や貫通力を発揮できない。(略)ゼロ距離状態からでも敵の装甲を破壊できる動力鋸長柄刀《ジグソー・グレイブ》や回転穿孔槍《ドリル・ランス》、相手を固定して勢いではなく圧力で切断または剪断する鎌形大鋏刀《シクル・シアーズ》のような武器でないと、ドウル相手に有効なダメージを与えられない。

この他、パイロットの超能力を使った固有兵装があります。
例えば、主人公は雷を生み出します。

一方、アーマードコアの武器は大量にあります。

ARMORED CORE @ ウィキの武器一覧。
http://www21.atwiki.jp/armoredcoreforever/pages/570.html 

パイロットの特殊能力を使った武器はありません。

1-5.外見

タイタニック・ドウルは体高20~25メートルです。

外見は、中世の騎士のプレートメイルのようなボディ形状をしている。これは、サイクロニクス機関が要求する「人型に近ければ近いほど良い」という条件と、壊れやすい余計な凹凸を無くすという条件を両立したデザインの必要があったためである。

口絵だとこんな感じ。左側の黄色いロボが主人公機、右側がライバル機です。

Scan0052
 
主人公機だけがスーパーロボ風で他はリアルロボ風です。

 アーマードコアの大きさはシリーズによってまちまち。

 ACの大きさはシリーズごとに異なる。『初代』~『MOA』では、河森正治のインタビュー中の発言に「(コアが)戦車の砲塔ぐらいのサイズ」[2]とある他、戦車との比較で二倍強ほどのサイズに描かれたデザイン画[3]があるなど、全高6m程度として設定されたことが伺える。ただし、ゲーム中では演出の都合で場面によってスケール比が変化しており、ACの全高半分ほどもある自動販売機が登場するなどしている。『AC3』~『ACLR』では、平均的な二脚型で高さ約10mで、これは『ACLR』で明言されたもの。後の『AC4』の公式小説や『FTS』においても、10mという記述が見られる。『ACV』では約5mにサイズダウンがなされ、相対的に他の兵器(砲台や戦車)などの脅威が増した。

アーマード・コア_(架空の兵器)  

外観はデザイナーによってバラバラですが、基本はリアルロボです。

ロボデザインは似ていません。グレンラガンの方がまだ見た目は近いと思う。(タイタニック・ドウルからドリルは生えませんし合体もしませんが)

1-6.操縦方法

タイタニック・ドウルの操縦システムは2種類出てきます。

[NITU]
ニューラル・インパルス・トレーサー・ユニット。NITUで「ニッツ」と読む。タイタニック・ドウルの操縦システムの一つ。パイロットの神経信号をトレースするこのシステムにより、ドウルマスターはタイタニック・ドウルという「甲冑」を着込んで戦う巨人兵となる。

[MITU] 
マインド ・インパルス・トレーサー・ユニット。MITUで「ミッツ」と読む。タイタニック・ドウルの操縦システムの一つ。マスターウェアにより機体と接続するのではなく、頭部をすっぽり包み込むシートのヘッドレスト部で脳から発せられる随意筋運動命令を読み取る。MITUによる操縦はNITU以上に動作を明瞭にイメージ化する能力が無いと、有効な操作を行い得ない。

作品内で使われるのはNITUが殆ど。
ドウルを滑らかに動かすにはNITUに対する適性の高さが必要です。
マスターウェアとはパイロットスーツのこと。

Scan0051

この口絵で主人公たちが着ている服です。

NITUには欠点もあります。

機体が受けた重大なダメージを感じるはずのない痛みとして錯覚してしまうのはNITUの大きな欠点だ。

ちなみにドウルマスターズ読んでた時の管理人の感想は「なんで2種類もあるんだ。ややこしい」でした。
この他、タイタニック・ドウルではない無人機をテレパシーで操縦する方法も出てきて更にややこしい。

アーマードコア・ネクストの場合。

ネクストは従来機とは異なり、搭乗者(リンクス)の脳と機体の統合制御体を直結させるシステムAMS(Allegory-Manipulate-System)を採用している。これによってネクストはノーマルと比較して極めて高い反応速度や制御能力を得ることとなった。ネクストを稼働させる上でAMSとリンクスの意義は非常に大きく、AMSなしでの操縦には「極めて統制のとれた十数人のチームが必要」とまで言われる[5]。
しかし、脳に電気信号を流すという性質上、人体にかなりの負担を強いるものとなっている。さらに、流し込まれた電気信号を情報として処理できるか否かもほとんど個人の先天的な才覚に依存し、訓練などによる後天的な獲得は不可能であるため、AMSの適性を有する者=リンクスたる資格を持つ者の数自体が少なく、一種の天才として扱われる状態になっている。 

アーマード・コア_(架空の兵器)

パクリの理由の一つに操縦方法があげられていました。

パイロットと脳髄リンクする人型特殊大型ロボットで戦う 
↓ 
Allegory-Manipulate-System 
ネクストACを操縦する、脊髄や延髄を経て脳とACの統合制御体が直接データをやりとりをする生体制御システム。  

ドウルマスターズとアーマードコアは神経接続で操縦する点は同じですが、直結しているかどうかが異なります。
神経接続で操縦するロボットものは多くあります(エヴァ、パシフィック・リム等)ので、神経接続しているからパクリ、にはなりません。

以上、まずはロボットについて比較してみました。
次は「世界観」と「キャラクター」の比較をしてみようと思っていたのですが、疲れたのでまた明日。

まとめとしては「同じ用語がいくつか使われている。設定が同じものもあるが、AC独自の設定ではなく他のロボものにも使われている設定」に落ち着きそうですが。「トップをねらえ!2」の方が似ている、って結論にもなりそうですが。

管理人が見過ごしているパクリポイントがあるかもしれないので、パクリだと言っている方にはご指摘を頂ければ幸いです。

多数のアーマードコアファンが強い言葉で批判するからには、ちゃんとしたパクリ指摘があるのだと期待しています。

ドウルマスターズ (1) (電撃文庫)
佐島勤
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2014-07-10)
売り上げランキング: 2,955