集団的自衛権:「我が国守る」変えず…自衛官の宣誓巡り
毎日新聞 2014年08月12日 07時10分
政府は、集団的自衛権の行使容認を閣議決定したことで「矛盾する」との指摘があった自衛官の「服務の宣誓」を現行のまま維持する方針を固めた。複数の政府関係者が明らかにした。宣誓は、自衛隊の使命を「我が国の平和と独立を守る」としており、政府・与党内で「このままでは、他国を防衛する集団的自衛権の行使を自衛官の任務にするのは難しい」との声が出ていた。
◇「集団的自衛権行使 問題なし」
宣誓は自衛隊法施行規則で定められ、自衛官は「我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚」することや「憲法および法令を順守」することを約束する。しかし、使命の部分が「集団的自衛権と矛盾しかねない」との見方があり、見直す必要があるか、関係省庁が内々に検討していた。
その結果、「自衛のための措置」に限って行使を認めるとした閣議決定を踏まえ、今のままで問題はないと判断。国連平和維持活動(PKO)で自衛隊を海外派遣した際も宣誓を変更しなかったことや「最も重要なのは『憲法および法令を順守』の部分だ」との見解も踏まえた。公明党への配慮から、集団的自衛権の行使が「自国防衛だ」と印象づける狙いもある。【青木純】