[PR]

 東京・霞が関の厚生労働省の庁舎に、第2次世界大戦の「日本人戦没者」約1万5千人の遺骨が数年間眠ったままになっている。フィリピンで収容されたが、日本人以外の遺骨が混ざっている疑いが消えず、東京・千鳥ケ淵の戦没者墓苑に納骨できずにいるためだ。

 厚労省が入る26階建ての合同庁舎。その5階の二つの部屋の棚に、白い布に覆われた約30センチ四方の箱がびっしりと並ぶ。「1千個は超えるのでは」(担当者)とされる箱には、骨つぼが二つずつ納められている。2008~10年度にフィリピンから持ち帰られた1万5213柱の遺骨だ。

 フィリピンでの遺骨の情報収集は、09年度からNPO法人に委託された。10年に日本人以外の遺骨が含まれている疑いが浮上。厚労省は11年秋、一部に女性や幼児の遺骨が混じっていた、という検証結果を公表した。

 海外で収容された無名戦没者の遺骨は厚労省の霊安室に安置した後、毎年5月に千鳥ケ淵の墓苑に納骨される。約1万5千柱のうち約4500柱もいったん納められたが、戦没者遺族らが反発。同省は「フィリピンの『証明書』があり、日本兵と考えている」とするが、「遺族の心情を配慮した一時的措置」として、11年秋に霊安室に戻した。焼骨されているため「日本人かどうかの鑑定は不可能」(担当者)な状態だ。