編集委員・大久保真紀
2014年8月12日05時04分
シベリア抑留で死亡した日本人らの遺骨約3万4千柱が、今も、祖国への帰還を待っている。厚生労働省は先月、遺骨収集帰還団をロシア沿海地方に派遣した。団員は抑留経験者、父親を抑留で亡くした人、大学生ら。魂を祖国に――。7月25日まで9日間、世代を超えた思いを一つに、土を掘り起こした。「終わらぬ戦後」の象徴だ。
■祖国に帰したい
「ここ、カパーチ、カパーチ!」。遠藤尚次(しょうじ)さん(88)=川崎市在住=が、片言のロシア語で指示する。参加者で、唯一の抑留経験者。「カパーチ」は「掘る」という意味だ。うなずいたロシア人作業員が、ショベルを動かす。
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朝日新聞社会部
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