勝を決め、喜ぶロリー・マキロイ=バルハラGC(AP=共同)
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◇全米プロ<最終日>
▽10日、米ケンタッキー州ルイビル、バルハラGC(7458ヤード、パー71)▽大雨後曇り、気温28度、弱風▽賞金総額1000万ドル、優勝180万ドル▽74選手
【ルイビル(米ケンタッキー州)テッド・ムース】首位から出た世界ランク1位のロリー・マキロイ(英国)が68で回り、通算16アンダーで7月の全英オープンに続くメジャー2連勝を果たした。25歳3カ月でのメジャー通算4勝はタイガー・ウッズ、ジャック・ニクラウス(ともに米国)らに次ぐ史上4番目の若さ。松山英樹(22)=レクサス=は通算3アンダーの36位、小田孔明(36)は2アンダーの41位。強い雨による1時間51分の中断があった。
マキロイの勢いはとどまるところを知らない。一度は首位を明け渡したが、折り返し直後の10番、力技でイーグルを奪い、ペースを握り返した。その後はつけ込むすきを与えず、18番で勝利を決める短いパットを沈めると、右拳を握りしめて絶叫。メジャー2連勝、世界選手権シリーズのブリヂストン招待を含む出場3試合連続優勝を手中にした。
最終日の出足は悪かった。ショットが左に行きがちで、アウトは1打後退。その間、フィル・ミケルソンや同世代のリッキー・ファウラー(ともに米国)らが首位をにぎわせた。だが、マキロイは「我慢していれば、必ずきっかけは来る」と、じっと耐えていた。それが現実になったのが、10番だった。
590ヤードの長いパー5。フェアウエーからの残り284ヤードを3番ウッドで振り抜いた。イメージよりも球は低く左に出たという。だが、その分、ランが出た。転がったボールは、ピン右2メートルへ。ハードな筋トレで強い球を打てるようになったマキロイならではの、力の一打だった。
「あのショットはラッキーだった。メジャーに勝つにはこういう運が必要だ」。これでメジャーは4勝目。手に入れていないのは、マスターズだけだ。「次の目標は、もちろんそこ。来年のマスターズまであと242日。年が明けて1月になったら準備を始める。メジャー5勝目でグリーンジャケットを手に入れる」。世界最強の男は、自信たっぷりに言い切った。
<ロリー・マキロイ> 1989年5月4日生まれ、英国北アイルランド出身の25歳。178センチ、73キロ。1歳6カ月でクラブを握る。アマチュアで多くのタイトルを獲得し、17歳でプロ転向。欧米両ツアーで合計13勝。メジャーは全米オープン、全英オープン各1勝、全米プロ2勝。12年、米欧両ツアーで同時に賞金王。
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