日航機事故:思い胸に御巣鷹へ 雨の中を慰霊登山
毎日新聞 2014年08月12日 11時08分(最終更新 08月12日 12時52分)
520人が犠牲になった1985年の日航ジャンボ機墜落事故から29年となった12日、花束を手にした遺族が早朝から墜落現場の「御巣鷹(おすたか)の尾根」(群馬県上野村)に登り、それぞれの思いを胸に銘標に手を合わせた。
降り続く雨の中、遺族らは登山口から約800メートルの「昇魂之碑」まで登り、航空機事故根絶を願う「安全の鐘」を鳴らした。幼い命の冥福を祈るシャボン玉が飛ぶ中、次男健君(当時9歳)を失い、遺族でつくる「8・12連絡会」の事務局長を務める美谷島(みやじま)邦子さん(67)は「登山道も整備され、大雨でも登れるようになった。来年は30年。若い世代に入ってもらい伝えていきたい」と話した。
日本航空によると、この日の慰霊登山者は70家族、約250人の予定。午後6時からは尾根のふもとにある「慰霊の園」で追悼慰霊式が営まれ、墜落時刻の午後6時56分に黙とうがささげられる。【尾崎修二、畑広志】