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自殺サイト:自殺・臨床心理学 (和光大末木研ブログ) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2014年08月11日

精神科周りの支援者の賃金はいくらが妥当なのか?

 ネット上の心理士の良心(褒めすぎ?)ことロテ職人さんから、夜回り2.0に対するツッコミをいただきました。なかなかタイムリーに応答することができず、申し訳ないです(だからアクセス数が伸びない…)。ちょっと考えたことをメモがてら書いておきたいと思います。


問題点まとめ

■つっこみ内容


■元記事


 記事を読んでもらった方が早いですが、問題点の具体的な指摘は以下の通りです。


 最大の問題になるのはやはり「謝金」です。(中略)「相談件数などに応じてお支払いさせていただく」としながらも「ひとり最大月額5万円程度」というのは…実質的に時給はどの程度になるのでしょうかね?(中略)しかし収益化が出来ないとなると「賃金抑制」は(それは仕方ないにせよ)常態化せざるを得ないし、自殺の危険性が高い=緊急性の高い方が対象であるために「無償の長時間労働」になってしまう可能性が高いです。


 なお、問題点を指摘する/懸念を表明するのみならず、その解決方法の案まで示していただくという建設的なフィードバックをいただきました。ありがとうございます。

 可能であれば、「賃金抑制」の水準がどの程度からなのかということについて、意見を聞いてみたいものです。「抑制されている」と言うためには、この程度が適切な水準というイメージが背景にないといけません。では、いくらくらいであれば適切なのでしょうか。地域別最低賃金というレベルでもないと思うのですが… いかがでしょう?(これはなかなか難しいと個人的には思うのですが)


募集に関する現状

 現在、募集は締め切られており、選考をしておりますが、選考をする程度の数は集まったというのが現状です。詳しくは話せないところですが、こちらが想像していた以上には集まりました。ブログ二つ、OVAのサイト、SNSでしか募集してないわけですが、けっこう来ます(臨床心理士会とかのHPで募集するまでもありませんでした)。精神科周りの資格をもった方にある程度応募していただき、ありがたく思っています。


回答、考えたこと

 懸念を表明する記事の書き方からご理解いただけていると思われますが、事業内容が事業内容だけに普通の時給換算にして数字を出すことが難しく、そのために「ひとり最大月額5万円程度」のようなフワッとした書き方になっています。

 時給換算になった時にどの程度の額にすべきかというのは非常に悩ましい問題です。逆に、どの程度であるべきかということについては、いろいろな人の意見を聞いてみたいくらいです。そもそもがこの第二期の夜回り2.0は三菱財団から出していただいたお金で実施される予定なので、「時給○○円以下にしないと利益が出ない!会社がつぶれる!」という話ではないわけです。

 単純に言えば、予算枠/支給額は決められているので、相談者の数を絞れば時給はあげられるし、時給を下げれば相談者の数を増やせるということになると思われます。このバランスは、どこでどう取られるべきなのか、最適な点を探す適切な方法については、今のところ確定的な案はないように思われます。少なくとも、私には分かりません。

 なお、このあたりの問題(心理援助の経済・金銭的価値)については、以下のような記事が参考になるはずです。また、今後も継続的に研究していく予定です(というか、やらないといけません)。ではでは。


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