日航機墜落事故から29年、遺族ら御巣鷹に慰霊登山
2014年8月12日10時13分 スポーツ報知
520人が亡くなった日航ジャンボ機墜落事故から29年を迎えた12日、遺族らは早朝から大粒の雨が降る中、墜落現場となった群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」に慰霊登山した。「安全に配慮してほしい」。今年は海外で空の事故が相次ぎ、安全運航を一層強く祈った。
遺族らは、雨具を着たり傘を差したりして尾根にある「昇魂之碑」の前で手を合わせた。「安全の鐘」を鳴らして冥福を祈る人の姿もあった。午前11時現在、遺族146人が参加した。
墜落機の航空機関士、福田博さん=当時(46)=の同僚だった千葉県佐倉市、藤川秀男さん(79)は「最近の航空会社は経営優先になっている。もっと安全に配慮してもらいたい」と訴えた。
2月の記録的な大雪で登山道の開通は約1か月遅れ、犠牲者の名前を記した墓標が数本折れる被害も出ていた。
事故では、お盆の帰省客や歌手の坂本九さんらも犠牲になるなど、単独の航空機事故としては現在でも世界最悪だ。
3月にはマレーシア航空機が消息不明になり、7月もマレーシア機撃墜や台湾機の墜落で多くの人命を失う惨事が繰り返された。
12日午後には日航の植木義晴社長も尾根に登り碑に献花する。夜には麓の「慰霊の園」で遺族や日航関係者らが参列し、追悼慰霊式を開く。