福井・坂井市に残されていたアギーレ監督直筆の石碑 12年前日韓W杯でキャンプ
11日に来日会見したサッカー日本代表のハビエル・アギーレ新監督(55)の就任を、何より祝福している人たちがいる。2002年日韓W杯で、アギーレ氏率いるメキシコ代表チームがキャンプを張った福井県坂井市三国町には、今も同氏のサインが入った記念碑が立つ。当時の宿泊先ホテルの支配人や、坂本憲男・坂井市長は、新監督の再訪にラブコールを送った。(北野 新太)
日本海の潮風に吹かれて、12年が経過した記念碑には「aguirre」の文字が確かに刻まれていた。
02年日韓W杯。アギーレ氏率いるメキシコ代表のキャンプ地として決勝トーナメント進出までの約20日間、拠点となったのが三国町だった。当時の練習場「テクノポート福井スタジアム」と宿泊先「港のホテル」の間にW杯終了直後に設置されたのが、高さ約150センチの角柱に直径約60センチのサッカーボールが載せられた記念石碑。アギーレ氏のサインとともに、代表選手全23選手の名前も記されている。長らく知る人ぞ知るスポットとなっていたが、アギーレ氏の日本代表監督就任を受け、コアなサッカーファンの間で注目を集めそうだ。
12年前、チームへのサービスを担当した同ホテルの江口佳隆支配人(50)は「記念碑を見るためだけに来る方はなかなかいらっしゃらないかもしれませんが、就任をきっかけに多くの方に、宿泊していただけたらと思います。アギーレさんにも、来ていただいて、再会したいです」と語る。
大会期間中、江口さんは、和を重視するアギーレ氏の姿を度々目撃した。世界的なGKとして知られたホルヘ・カンポス氏に「髪の脱色剤を買ってきてほしい」と頼まれた日のこと。「帽子をかぶって食堂に現れたカンポスさんがみんなの前で突然、まっ金々の髪を披露したんです」。居合わせたアギーレ氏。規律を重視し、怒ると怖い人として知られるが…。「選手と一緒にゲラゲラと大ウケしてました。雰囲気を大事にする人なんだな、と」
また、こんなシーンも。「メキシコで、日本はラジコン大国として知られているそうで、選手たちがラジコンカーを買って廊下で競走させていたんです。もちろん、勝ち上がっていたからこそだと思いますが、アギーレさんは黙認していましたね」。エピソードを残したアギーレ氏の再訪と、集客アップを江口さんは期待している。