トルコ首相 汚職捜査の警察官を多数拘束

8月6日 13時41分

トルコでエルドアン政権を巡る汚職疑惑の捜査を担当していた警察官が多数拘束され、野党側は、エルドアン首相が捜査を妨害するために強権を発動していると批判しています。

トルコのメディアによりますと、最大都市イスタンブールなどで５日、エルドアン政権を巡る汚職疑惑の捜査を担当していた警察官ら少なくとも２９人が警察に拘束されたということです。
警察官らには、警察内部に非合法な組織を作り、エルドアン首相と家族の電話の会話や政権内部の治安会議を盗聴した疑いなどが持たれているということです。
トルコでは、去年１２月、エルドアン政権の閣僚の家族が汚職に関わったとして逮捕され閣僚３人が辞任に追い込まれましたが、エルドアン首相はみずからに反発し、警察に影響力を持つグループによる策略で不当な捜査だと主張していました。
その後、ことしに入ってから汚職疑惑の捜査を担当していた警察官が一斉に更迭され、先月にも１００人以上が拘束されていて、野党側はエルドアン首相が捜査を妨害するために強権を発動し、報復を繰り返していると批判しています。
トルコでは、今月１０日に国民が直接大統領を選ぶ初めての選挙が行われ、くら替えして立候補しているエルドアン首相の優勢が伝えられていますが、当選すれば、大統領権限の強化に乗り出し、強権的な支配につながるとの懸念が強まっています。