- [PR]
事件
【ベネッセ情報漏洩】“暗黙の了解”で情報拡散 SE「特定おそれ情報選んだ」名簿業者「出所は詮索せず」
2014.8.8 00:44
少なくとも3つの名簿業者に顧客情報を売却していたことが判明した松崎正臣被告は、流出元を特定させない偽装工作を行っていた。購入していた名簿業者側も、情報の出所を深く詮索せず転売を繰り返した。情報の出所を互いにあいまいなままにする「暗黙の了解」が安易な顧客情報の拡散を後押ししていた。
「流出元が特定されるおそれがあるため、持ち出す情報を選んだ」。捜査関係者によると、松崎被告はこのように供述しているという。
ベネッセの顧客情報データベース(DB)には、顧客の住所、氏名、生年月日のほかに、利用していた通信講座の種類や成績なども含まれていた。だが、通信講座は「進研ゼミ」など一見してベネッセの情報と分かるため、松崎被告はDBから講座名などは省き、住所など名簿業者に需要がある最小限の項目のみを抽出していたという。
名簿業者側も情報の出所を追及することを避けていたとみられる。松崎被告は「出所については適当に説明したが、深く詮索はされなかった」と供述。名簿業者側も、「ベネッセの情報とは知らなかった」と説明している。
不正競争防止法では「不正に入手された営業秘密」と知った上で情報をやり取りしない限り、違法性は問われない。松崎被告と名簿業者の双方が、その「穴」を熟知していたとみられる。
顧客情報を転売したある名簿業者は取材に対して、「出所を詮索すれば損するだけ。悪いことはしていない」と主張している。
関連ニュース
- [PR]
- [PR]