2014年08月12日

テレビ朝日様がなんか面白いことを始めようとしているようです



いやーこれはテレビ朝日様の為にも宣伝に協力しないとなー。

テレビ朝日:みんながカメラマン

「自分が撮ったスクープ映像をテレビ朝日に送って、テレビに流してもらおう!これで君もジャーナリストだね!やったね!まあ無償だけどね!」みたいなコンセプトなんだと思います。

スクープのアウトソースを図るって報道局としてどうなの、という話もないではないですが、まあそれは今までも、youtubeの動画をパクってそのまま流しているだけの番組とか色々あった訳ですし、今更のことと考えて問題ないだろうとは思います。

ただ、
投稿者は、本サイトに投稿データを投稿するにあたり、本規約の全文をお読みいただき、本規約に同意いただく必要があります。
と謳っている割に、絶妙な感じでデフォルト非表示になっている規約については色々と興味深いです。

テレビ朝日様の説明の手間を省くために、重要そうなところを幾つか確認してみましょう。
4.テレビ朝日は投稿データを、地域・期間・回数・利用目的・利用方法(放送、モバイルを含むインターネット配信、出版、ビデオグラム化、その他現存し、または将来開発されるあらゆる媒体による利用)・利用態様を問わず、自由に利用し、またテレビ朝日が指定する第三者に利用させることができるものとします。当該利用にかかる対価は無償とします。

5.テレビ朝日(テレビ朝日指定の第三者を含みます)は、前項記載の利用のために、投稿データを自由に編集・改変することができるものとします。投稿者はいかなる場合も、投稿者の有する著作者人格権を行使しません。

7.テレビ朝日は、投稿データの利用に関して投稿者に何らかの損害が生じた場合でも、一切の責任を負いません。また投稿者は、投稿データの利用に関して第三者からテレビ朝日に何らかの異議・請求等があった場合、テレビ朝日からの要求に従い、投稿者の責任と費用において解決します。また、投稿データの利用が第三者の権利を侵害したとして、テレビ朝日が損害を被った場合は、これを賠償します。

8.投稿者が、本規約の一の条項に違反した場合、テレビ朝日は投稿者による本サイトの利用を停止することができるものとします。また、これにより、テレビ朝日に生じた損害は、すべて投稿者が賠償するものとし、テレビ朝日は一切の責任を負わないものとします。

まずはこの辺がなかなか趣き深いですね。早い話、「テレビ朝日は投稿動画を無償で使うし、自由に編集・改変するけれど、その際に何か損害が起きたとしたら全部それ投稿者持ちね」という内容のように思えます。流石テレビ朝日様、編集や放映に応じてテレビ朝日が責任を負うべき問題など発生する訳がなかろう、ということですね。素晴らしい自信です。これ、普通に考えると余りデフォルト非表示にしない方がいい内容なんじゃないでしょうか。

公平を期すために併記しておくと、勿論、一般的な投稿サービスでも運営の免責事項は規約に明記されています。

投稿規約|ニコニコ動画
運営会社は、本サイトを利用したこと又は利用ができないこと、本サイトからのリンク先を利用したこと又は利用ができないことによって引き起こされた損害について、直接的又は間接的な損害を問わず一切責任を負わないものとします。

youtube:利用規約
お客様は、YouTubeが、本コンテンツ又はあらゆる第三者の中傷的、侮辱的若しくは違法な行為につき責任を負わず、また、これらによる害悪又は損害のリスクは全てお客様の責任であることにつき特に了承します。

ただ、これも勿論言うまでもなく、ニコニコやyoutubeは投稿動画を自由に編集・改変することが出来る権利は謳っていませんし、これらはそもそもがアップロードサービスなので、追っかけの削除はしますが投稿時点での動画の吟味・編集をする訳ではありません。その辺、有償のコンテンツにボランティア投稿の素材を利用する気満々のテレビ朝日様とは若干スタートラインが違う気はします。


その辺の違いを考えると、本来なら一般的な内容である筈の下記の項目も、また違った趣をもって読めるのではないかと思います。
10.テレビ朝日は本規約を予告なく変更できるものとします。変更後の規約は本サイトに掲示した時点でその効力が生じるものとし、投稿者は変更後の本規約に同意したものとします。

まあ、これらは勿論運営会社さんを信頼するかどうかだけの問題であって、テレビ朝日様程の信頼度があれば皆さんこぞって動画を投稿すること疑いなしだとは思いますけどね!!!!



以下はしんざきの所感なのですが。

今回の件が、どんな意図を持っての企画なのかは推測する他ありませんし、どの程度の真剣さを持った企画なのかもよく分かりません。

ただ、一つ確実に言えることは、企画側は「これでも投稿してくるヤツはいるだろう」と考えているだろう、ということですよね。そう考えていなければ予算投じてこんなページ作る訳がないので。

そこから推測すると、運営側は、

1.この規約を認識した上でも、「テレビに映るかも知れないなら」ということで送ってくるヤツがたくさんいるだろう
2.規約をよく読まない層が大量にいるだろう


のどちらかは多分読んでいるのではないか、と考えられる訳なのです。

2はまあなんというか、どんだけユーザーを舐めているんだよ、という話で終わりっちゃ終わりなんですが、1についてはちょっと話が根深いかと思っておりまして。

以前、といっても4年は前ですが、こんな記事を書きました。

「テレビに出られることが報酬」という意識について。

一言でまとめると、今でもまだ「「テレビに出られる」ということ自体が、一般人にとっては報酬になる」と考えている、少なくともそう考えている人がメディア側には存在する」ということになるのかと思います。

youtubeや、自分のブログや、twitterで投稿するよりも、テレビに出られることをうれしいと思う人が今でもたくさんいるだろう、と。要するにそう意識している、ということですよね。いや、実際、今でも「テレビに出られるとうれしい」という人は勿論いるでしょうけれど、それが多数派かどうかは統計調査が必要そうです。

私自身は、上の考え方は今の時代相当な時代錯誤なのではないかと思いましたし、あれから4年も経った今ではテレビ局側の意識も随分変わっているだろう、と思っていたんですが、今回の企画とか見ていると、「あれあんまり変わってないんじゃ」などと思ったりする訳なんですよね。正直なところ、「テレビに出してやるんだからこれくらい我慢しろ」というような意識を感じてやまないのです。

この辺の意識のかい離、随分根深いなーと。その辺には問題があるような気がしてならない訳です。


ということで。もしかすると「みんながカメラマン」自体凄い勢いでひっこめられたりする可能性もあると考え、早めに記事にしようと考えた次第です。

今日書きたいことはそれくらい。



posted by しんざき at 09:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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