ある日突然妻が「リア充って知ってる?」と聞いてきた。何でも妹が電話で「リア充」という言葉を使っていて不思議に思って聞いたようである。妹の返答は「そんなことも知らないの?としぞうさんだって絶対知ってるよ」とのことで,私に質問したようである。
皆さんもご存じのようにリア充とは「現実世界で充実している人」のことを指しているわけだが,この言葉をどこで知ったのかと聞かれるとよく分からない。また自分がこの言葉を必要としているわけでもないので,意識的に使ったことはない。妻も同様でこの言葉を使う機会がないので今まで知らなかったのである。
そんな妻が今度は「私の携帯ってガラケーなんだって」と言ってきた。私が「知ってるよ」と答えるとかなり驚いていた。この言葉も妹から聞いたようで,その意味を初めて知ったようである。妻としてはこういう言葉を知らなくても不自由しないので,特に気にしていなかったのであるが,自分の母親にも「あなたの携帯はガラケーだから買い替えた方が良いよ」と言われたときには,このままではマズイと思ったらしい。「どうやったらそういう言葉を知ることができる?」と自分の母親にも聞いたようだ。母親の方もどこで知ったとかは覚えていないようだった。
こんな妻であるがネットを全くしないわけではない。毎日iPadを使ってネットを見ている。ただし妻が見ているサイトは毎日同じなのである。お気に入りのページ(ブログ)を毎日チェックしているので,タブは開かれたままなのだ。そんな妻を見ていて以下の記事を思い出した。そしてこれは間違いではないかとも思ったのである。
いまの大学生はどんどんレイトマジョリティになっているという話 | More Access! More Fun!
なぜいまの大学生はネットサーフをしないのか
いまの大学生は新聞も読まない。テレビも見ない。これでネットで情報を得なければレイトマジョリティど真ん中のわけであるが、なんでここまで急激に来たのか。誰も「そうだろうな」と予測したと思いますが、大学生のスマホの高い普及率に原因がある可能性があります。
もちろん私の妻は大学生ではないのだか,妻を見ていると,ここで出てくる大学生というのはネットで情報を得てないのではなく,ネットサーフをしていないだけではないか。この後に以下のような調査結果が出てきて,記事を書いた人はその調査結果に疑問を呈しているが,「ネットをする=ネットサーフをする」という前提そのものが間違いだろう。
つまり必要な情報を検索して終わり,それ以上必要ではない情報を調べない。そういう辞書的な使い方をしているのではないか。だとすれば特にそれで悪いことなんてないんじゃないの?と思うし,情報を得るのはネットだけではないのも事実だよね。さらに言えばネットサーフしても本格的に勉強したことにならないし,知識は蓄積していかない。
私達はネットだけで進化してネットに情報がたくさんあるので,そこで情報を得なければいけないと思いがちだが,旧来の情報ツールである書籍も毎年多くの本が出版され,情報量は増えている。そういう前提に立てば,昔の学生よりも今の学生の方が情報をたくさん持っているのは間違いない。
確かに情報の海の中を泳いで,さまざまな情報を得ていくことも必要なのかもしれないけど,特に必要でもない情報(ここで言えばイケダハヤトやちきりんなど)を得るためにネットに張り付く必要性を感じないというのは健全ではないか。
むしろ自分たちがネットサーフして情報を得ているというやり方そのものが,時代遅れになっているのかもしれないという感覚が必要ではないか。また新聞などを見ないというのは40代でも拡大しているというご存知か?「新聞離れ・テレビ離れ・ネットサーフしない」=「大学生はレイトマジョリティー」というくくりそのものが時代錯誤ではないのか。
10代4%足らず、20代でも新聞購読率9%…主要メディアの利用状況(不破雷蔵) - 個人 - Yahoo!ニュース
昨日ドボン会 会長 (id:dobonkai)さんが書いていたけど,私達だって知らない言葉たくさんあるよね。そう考えればもうすぐ40代の私も立派な「レイトマジョリティー」だ。
新しい言葉についていけないおじさんの愚痴 - ネットの海の渚にて
そんなことを妻との会話から考えた。そんな我が家は私がブログや研究のためのネットサーフをし,妻はお決まりのサイトをipadで見,息子はアンパンマンをテレビで見るという平和な日常である。
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