ロシアがTorユーザの正体をあばきたい理由、それはズバリ「興味本位とカネ」のため
ロシアは今、Torのユーザから個人情報を見つけ出した最初の人に11万ドル(約1,122万6,000円)の賞金を出そうとしています。でも、気をつけてください。この話、落とし穴があります。この競争に参加費用として5,500ドル(約56万1,300円)かかりますから!
そもそもTorというのはオンライン上のネットユーザを匿名化させるためにアメリカ海軍が開発したものです。実際にこれは本当によくできています。数ヶ月前には、あのスノーデンを輩出したことで有名なNSA(アメリカ国家安全保障局)でさえ、Torユーザーの身元を確かめようとして失敗した、なんて情報も流れています。
それにしても、なぜロシア政府のこの企画では、いわゆるアプリケーション・フィー(参加費)がこんなにもバカ高いんでしょうね? 5,500ドルなんて、どこの国に行っても高過ぎですよ。しかも参加できるのはロシア国民だけだし。その一方で、既にアメリカはピッツバーグのカーネギー・メロン大学のチームが、同大のセキュリティ・リサーチャーと弁護士との間で論争にもなったデータに基づいてTorユーザの正体を既に見破ったともされております。
どうしてロシア政府は血眼になってるんでしょう。コンテストの費用をまかなえる参加者も20人しかいないのに。結局、ロシアは参加者の参加費とそれに伴う手続きの金でもうけを出すことになるんでしょうけど。
Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(沢田太陽)
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- 黒田 龍之助|白水社
- ロシアの文字の話―ことばをうつしとどめるもの (ユーラシア・ブックレット)
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