葉加瀬太郎が「アナ雪」エルサに!? “情熱大陸フェス”東京公演大盛況
今年で13年目を迎える真夏のJ-POPの祭典“情熱大陸フェス”の東京公演が8月9日に夢の島公園陸上競技場で開催された。
この日の東京は台風11号の接近もあってあいにくの曇天。そんな天気に活を入れるように、イベント・オーガナイザーの葉加瀬太郎がステージに表れ開会宣言の乾杯。
そしてオープニングに登場したのはSing Like Talkingの3人。メンバーの佐藤竹善は、ソロやバンド名義を含めると12回目の参加となる最多出場レコード・ホルダー。ゆるやかに進行しながらも客席をあたためていくステージングは円熟の極みと言える。また、盟友である葉加瀬はバイオリン演奏だけにとどまらずSLTの代表曲のひとつでもある「Spirit Of Love」では、キーボードを弾き語る佐藤竹善の後ろで美しいコーラス・ハーモニーを披露した。
続いても情熱大陸フェスの常連メンバーで、11年連続出場となる押尾コータロー。葉加瀬にチェリストの柏木広樹を加え3人で大人のインストゥルメンタル音楽をじっくり聴かせる。
サブ・ステージとなるJOUNETSU STAGEのトップを飾ったのは初参加の上間綾乃。先月リリースされた最新アルバム『はじめての海』の収録曲を次々に歌う。「私のルーツ・ミュージックである沖縄民謡歌います! みなさん、お尻がムズムズして立ちたくなりますよ!」の宣言通り、三線片手に「豊年音頭~唐船ドーイ」を歌うと、場内は一転としてウチナー・モードに。
上間の元気いっぱいのステージは、続いてのmiwaにそのまま受け継がれる。ギブソン・J-45をかき鳴らしながら元気全開でおなじみのヒット曲を惜しげも無く披露。中盤にはエレキ・ギターに持ち替え、ていねいにリズムを刻みながら「ヒカリヘ」を歌い、ラストは葉加瀬のバイオリンが絶妙に絡むバラード・ナンバーをハンド・マイクで広い会場に向けて朗々と歌い切った。
カサリンチュはJOUNETSU STAGEからヒューマン・ビートボックスで会場を盛り上げる。「奄美の人口より、この会場に集まった人の方が多いです!」のアナウンスで場内を爆笑の渦に包んでオーディエンスのハートを掴んだあとのコール&レスポンスは圧巻だった。
初参加のクリス・ハートは大観衆を前にちょっと緊張してるよう。「この近くの門前仲町に住んでました。サラリーマン時代には豊洲に自動販売機も置きました!」と会場(夢の島)近くの超ローカル・トークで場内を和ませカバー曲やオリジナル曲を歌う。オフコースのカバー曲「生まれ来る子供たちのために」では、葉加瀬と佐藤竹善が参加しクリスを盛り立てる。続いての映画アラジンのテーマ曲「A Whole New World」ではMay J.がデュエットで入り、さらに葉加瀬のバイオリンが加わって三位一体となるコラボレーションを披露。これぞ究極のオトナのエンターテイメント! 会場内も水を打ったように静かになりふたりの歌を聴き入る。
ステージはそのままMay J.のコーナーとなり、1曲目のTHE BOOMの「風になりたい」からオーディエンスは総立ちとなる。「私の人生を変えてくれた曲です!」とイントロが奏でられると怒号のような歓声が巻き起こる。ステージ下手からは金髪のカツラにブルーのドレスを着てアナと雪の女王のエルサに扮した葉加瀬太郎が登場。これには場内も大爆笑。エルサ(!?)とMay J.による英語バージョンの「Let it Go」は、この日のハイライトとも呼べる1曲だった。
「エルサのあとはやりづらいです…」と現れたふたり組ユニット、DEPAPEPEは清涼剤のような音楽を奏で会場をリラックスさせる。「僕らの大好きなアニキを呼びます!」とステージに招かれたのは押尾コータロー。DEPAPEPEならぬ新ユニットDEPAPEKO(!?)として3人で「ONE」を演奏しコーナーを締めた。
ステージは、再びメイン・ステージであるBONANZA STAGEに。鮮やかなピンクのジャケットに身を包んだゴスペラーズ、1曲目におなじみの大ヒット曲「ひとり」を、なんと5人だけのアカペラで歌う。続いても、大ヒット曲「誓い」を歌って、美しすぎるハーモニーで会場を酔わせる。3曲目には9月17日にリリースされる新アルバム「The Gospellers Now」に収録の新曲『HIT ME』を早くも披露。どこか懐かしさすら漂うスウィンギング・ロックンロールなナンバーで会場を沸かせ、最新シングル2曲を続けて歌い30分のパフォーマンスを終える。
BONANZA STAGEには、続いて玉置浩二が登場。ここで小康を保っていた天気が荒れ出す。玉置は激しい雨の中、ギター1本でステージに立ちバラード・ナンバーをじっくりと歌う。3曲目に披露したのは、なんと「男はつらいよ」の主題歌。あの寅さんだ。なんでも自分の中での最近のテーマだそうで、この意外過ぎる選曲に観客も戸惑うが、続いての押尾コータローとのコラボレーション「サーチライト」でひと安心。ラストは大ヒット曲「田園」で締めた。
続いてのJOUNETSU STAGEには2012年に復活したCASIOPEA 3rd。野呂一生のギター、鳴瀬良博のベース、神保彰の超絶ドラムに、新メンバーで紅一点の大高清美のキーボードが絶妙に絡み合う極上のフュージョン・サウンドを披露。CASIOPEA時代の代表曲でもある「FIGHT MAN」や「ASAYAKE」も演奏し往年のフュージョン・ファンを喜ばせた。
そしてBONANZA STAGEには昨年の初参加に続いて角松敏生が登場。中山美穂に提供した「You're My Only Shinin' Star」や「WAになっておどろう」などを葉加瀬と共に演奏する。
情熱大陸フェスの魅力は出演アーティスト同士のコラボにあるが、もうひとつの魅力はイベント・オーガナイザーである葉加瀬太郎の七変化(!?)にある。この日も、上間綾乃のステージでは沖縄エイサー風の衣装をまとい、クリス・ハートのコーナーではクリスと同じ帽子を被って現れたり、前述のMay J.ではアナ雪のエルサ姿と様々なコスプレで登場する。これはお客さんと出演してくれたアーティストに楽しんでもらいたいという葉加瀬ならではのホスト精神のあらわれ。
そしてエンディングは葉加瀬太郎。「エトピリカ」から始まったセットリストは、時に激しく、時に優しくバイオリンを奏でていく。ラストは「情熱大陸」の真夏の夜にふさわしいサンバ・ヴァージョン。パーカッション・プレイヤーとして、なんと角松敏生が参加。中盤には色とりどりのサンバ・ダンサー・チームが登場し、出演アーティストたちも乱入。集まった9500人のオーディエンスと共にステージと会場が一体となったお祭り騒ぎとなり、6時間超にも及んだ情熱大陸フェスの東京公演が幕を閉じた。
“情熱大陸フェス”、この後は8月23日、北海道・いわみざわ公園野外音楽堂キタオンで開催される。
<セットリスト>
☆:BONANZA STAGE/表記なし:JOUNETSU STAGE
01.Sing Like Talking (☆)
Rise /Spirit Of Love with 葉加瀬太郎 /他
02.押尾コータロー(☆)
あの夏の白い雲 with 葉加瀬太郎・柏木広樹 /Big Blue Ocean with 葉加瀬太郎・柏木広樹 /他
03.上間綾乃
海へ来なさい /夏いちりん /豊年音頭~唐船ドーイ /花言葉 with 葉加瀬太郎
04.miwa(☆)
don't cry anymore /441 /君に出会えたから /ヒカリヘ /片想い with 葉加瀬太郎
05.カサリンチュ
やめられない とまれない /New World(バラードver)/感謝 /あなたの笑顔
06.クリス・ハート(☆)
生まれ来る子供たちのために with 佐藤竹善・葉加瀬太郎 /
A Whole New World with May J.・葉加瀬太郎 /他
07.May J. (☆)
風になりたい~Rainbow /Believe /Let it Go ~English ver.~ with 葉加瀬太郎
08.DEPAPEPE
UNION /FLOW /ONE with 押尾コータロー
09.ゴスペラーズ (☆)
ひとり /誓い /HIT ME /Be shiny with 葉加瀬太郎 /SING!!!!!
10.玉置浩二 (☆)
青い”なす”畑 /メロディー /男はつらいよ /サーチライト with 押尾コータロー /田園
11.CASIOPEA 3rd
DAYS OF FUTURE /TOKIMEKI /FIGHT MAN /ASAYAKE
12.角松敏生 (☆)
You're My Only Shinin' Star with 葉加瀬太郎 / WAになっておどろう with 葉加瀬太郎 /他
13.葉加瀬太郎 (☆)
エトピリカ /情熱大陸 /他
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情熱大陸 SPECIAL LIVE SUMMER TIME BONANZA'14
08/23(土)北海道・いわみざわ公園野外音楽堂キタオン
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