8回裏、2死三塁のピンチを切り抜け、ガッツポーズでベンチへ戻る春日部共栄・金子=甲子園【拡大】
台風11号の影響で、開幕が2日間、延びた。じっとしていても始まらない。金子はこの時間を有効に使った。夏の京都大会準々決勝以降の3試合のビデオをじっくり見直した。そこで、内角を突き、緩急をつけることのヒントを得た。
外での練習ができなかった分、室内練習場でダッシュを何度も繰り返した。毎日、体を動かし、体をいじめることで、精神的なストレスを解消した。
センバツ王者を倒す“原動力”になったのはライバル心だ。今夏は埼玉大会で敗退したが、小島(おじま)和哉投手(3年)を擁する浦和学院が昨年のセンバツを制した。2人とも埼玉選抜に選ばれ、競い合ったこともある。小島を超えるためにも、初戦で負けるわけにはいかなかった。
プロ球団も注目する金子だが、本人は東京六大学志望。自宅が千葉県松戸市にありながら、春日部共栄を選んだのは「甲子園を狙う進学校」だからだ。現在は、約480人いる3年生の中で35人しか入れない選抜クラスに在籍。宿舎では時間を見つけては英語などの勉強に勤しんでいる。