本多監督(中央)を中心にチームが一つになり、強敵を下した(撮影・宮崎瑞穂)【拡大】
最後の力を振り絞った。この日の最速135キロの真っすぐで空振り三振に仕留めた金子は左手で拳を握り、大きくガッツポーズ。堂々とセンバツ王者をねじ伏せた。
「最後はきょう一番の気持ちを持って投げた。思ったより緊張しなかった。完封を逃したから95点かな」。独特の緊張感に包まれる開幕戦で、122球を投げ切った。敗れた龍谷大平安の選手に声をかけ、健闘をたたえあった。
1メートル75とさほど上背はない。スリークオーター気味から肘を柔らかく使う独特のフォームで、打者の胸元を攻めた。三振は5止まりだったが、20-30キロの緩急差をつけ、最少失点で「スミ5」を守り切った。