大谷聡
2014年3月26日05時28分
稼働している原発の核燃料に課してきた核燃料税の仕組みを、原発が止まっていても電力会社などに課税できるように原発を抱える八つの道県が変えていたことがわかった。朝日新聞の調べでは、これにより原発停止状態でも2014年度以降、少なくとも年間計109億円の税収が確保されることになった。税収の大半は値上げされた電気料金で賄われており、電気利用者に負担が押しつけられている構図が浮かんだ。
核燃料税は、自治体が地方税法で定められた住民税などのほかに、条例で課すことができる「法定外普通税」の一つ。原発の安全対策に使うとして福井県が1976年に始めた。
東京電力福島第一原発の事故前は、古くなった核燃料の代わりに新しいものを挿入するたびに価格に応じて課税する仕組みで、原発が動いていることが前提だった。
ところが、朝日新聞社が全国13の原発立地道県を調べたところ、8道県が事故後に、原子炉の規模を表す出力に応じて課税できる「出力割」を採り入れる条例を作っていた。新潟、静岡、島根の3県も導入を検討中だ。新たな仕組みでは、原発が止まっていても一定額の税収を確保できるためだ。
現在、全国48基のうち稼働している原発はない。12年度実績では、13のうち8道県が税額ゼロだった。
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