北海道旅客鉄道(JR北海道)は11日、貨物列車が通る道内の全線区でレールのゆがみの管理を厳しくし、整備が必要な場所が見付かれば直ちに時速45キロに減速、補修する新たな安全対策を発表した。運輸安全委員会が調査中の貨物脱線事故の原因が分かるまで続ける。
これまで整備が必要だと分かった場合、減速の必要はなく、1カ月以内に補修する決まりだった。
道南を中心に相次ぐ貨物脱線事故を受け、レールを管理するJR北海道が貨物に焦点を当てて講じる。列車を運行する日本貨物鉄道(JR貨物)との費用負担の分担などは「考えていない」(伊勢勝巳工務部長)という。
また八雲町のJR函館線で2013年8月、線路の下を流れる川が氾濫し貨物列車が脱線した事故の再発防止策として、非常導水路が完成したと発表した。豪雨でも線路や走行中の列車に支障が出ないよう、幅4メートルの導水路で増水を防ぐ。
北海道開発局や八雲町とともに造った。建設費の全額は明らかになっていないが、JR北海道は約3億円負担した。事故発生区間で続けていた徐行運転は8月末に解除する。
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