東電:福島第1原発、地下水の試験くみ上げ…12日から
毎日新聞 2014年08月11日 21時44分(最終更新 08月11日 21時47分)
東京電力は11日、福島第1原発の建屋周辺の井戸(サブドレン)から汚染された地下水をくみ上げ、浄化した上で海洋に放出する計画の一環として、12日に地下水の試験的なくみ上げを始めると発表した。20日にその水を浄化する新たな装置の性能試験を実施する予定。
汚染水は、地下水が原子炉建屋に流入して放射性物質に触れることで1日約400トン生じ、増え続けている。東電は汚染前の地下水をくみ上げて海に放出する「地下水バイパス」に加え、原子炉建屋近くの汚染された地下水もくみ上げる。新たな計画により、建屋への汚染水流入を1日200トン減らせるという。一方、汚染水を保管するタンクの増設は限界があるため、浄化した上で海に放出することを計画している。11日には原子力規制庁に排水管の設置認可を申請した。
計画によると、同原発1〜4号機建屋周辺にある14本のサブドレンから1日約50トンの地下水を試験的にくみ上げ、新たな浄化装置に通す。その結果、地下水の放射性物質濃度が、基準値以下であることを確認する。地元自治体や漁協関係者の許可を得られれば、くみ上げた地下水を海洋放出したい考えだ。【斎藤有香】