【動画】トラブル処理を担っていたころを振り返る内藤千百里氏=竹花徹朗撮影

■関電の裏面史、内藤千百里・元副社長の独白:12

 《関西電力元副社長の内藤千百里は1970年代からトラブル処理を担う立場になった。反社会的勢力が絡むことが多く、微妙な対応が必要だった。原発の管理不備をネタに脅される恐れがあるため即座に対応した事例を内藤は明かした》

 会合中にヤクザの親分と親しい国会議員から電話があり、「関電の原発で使った作業服が勝手に持ち出され、ヤクザが今、それを持っている」と言われたことがあった。私はこの国会議員に処理を頼み、一件は表に出ずに済んだ。

 《80年代初めには他の関電幹部が処理した事案の報告を聞き、驚愕(きょうがく)したこともあったという》

 大阪の池の上を通る送電線の影響で、コイの生育が悪くなったというクレームがあったらしい。それにいくら払ったと思います? 答えは1億円。社内で事情を聴くと、相手はいわゆる裏社会の人。うるさいからこうしておきましょうと。自分だったら許していなかった。