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結果と過程 2014年07月22日(火)

 一般的な訳は「始めから終わりまで」だろうか。男子ゴルフの全英オープンで、ロリー・マキロイ選手(英国)が「ワイヤ・トゥー・ワイヤ」の強さを見せた。スポーツの世界では「首位を譲らぬ完全優勝」の意だ▲
 語源は競馬に由来するらしい。現在のゲート式より古いバリアー式スタートにはワイヤを使うものがあり、ゴールには着順を判別するワイヤが張られた。すなわち「スタートからゴールまで」▲
 英和辞典のワイヤの項を引く。針金や電線はもちろん、電報、楽器の弦、人形などを操る糸、わな…。さまざまな意味を持つことにあらためて驚かされる▲
 全英オープンでコースのわなに陥ったのが松山英樹選手(松山市出身)だ。パットに手こずり、強い風で球を自在に操れなかった。苦い経験は必ずや次に生きる。実力は先月の米ツアー初優勝で証明済み。「ワイヤ・トゥー・ワイヤ」も夢ではない▲
 盗聴や策略の意味もある。法制審議会特別部会は通信傍受の対象事件拡大を打ち出した。傍受と言えば聞こえはいいが、実態は公権力による盗聴だ。捜査充実を隠れみのに、監視社会構築を進める政府の策略を許すわけにはいかない▲
 大切なのは「始めから終わりまで」手を抜かぬ実直さ。マキロイ選手は言った。「良い決断、良いスイングをするという過程を重視して集中した」。結論ありきで、国民への説明など重要な過程を省きたがるわが国の首相に聞かせたい。

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