韓国5大産業、総崩れ状態 ウォン高直撃 緊急経済対策も「効果は疑問」 (1/2ページ)

2014.08.11


ウォン安でシェアを拡大した韓国の造船業にも強烈な逆風が吹いている(ロイター)【拡大】

 韓国企業の業績が悲惨なことになっている。4〜6月期決算ではサムスン電子が大幅減益となったが、ほかにも現代(ヒュンダイ)自動車やポスコなど、日本メーカーからシェアを奪っていた財閥企業が軒並み減益や赤字に沈み、スマートフォン、自動車、造船、鉄鋼、石油化学の5大産業は総崩れ状態だ。朴槿恵(パク・クネ)政権は緊急経済対策を打ち出すが、低迷を抜け出せるか疑問視されている。

 スマホやタブレットなど「ギャラクシー」シリーズの販売不振で営業利益を24%も減らしたサムスン電子だが、その不調は、系列企業にも大きな打撃を与えた。

 電子部品メーカーのサムスン電機の売上高は前年同期比22%減、営業利益は90・5%減と10分の1以下になった。スマホ向けバッテリーなどを供給するサムスンSDIも9割超の減益だった。

 韓国メディアは「ギャラクシー・ショック」と呼び、人員削減などリストラが実施されるという報道も相次いだ。

 電機関連ではLG電子が増収増益となったものの、半導体製造会社のSKハイニックスが2年ぶりの営業減益となるなどウォン高に足を引っ張られた。

 自動車産業も無傷ではいられない。最大手の現代自動車の営業利益は13%減。傘下の起亜自動車は31%の大幅減益となった。かつては“日本車キラー”と呼ばれ、米国市場などでシェアを拡大した現代自だが、ウォン安の追い風が止まったとたんに勢いをなくし、トヨタ自動車など日本メーカーに突き放された。

 主力車「ソナタ」については、変速機を駐車の位置に動かしても完全に停止できず、突然動き出して事故が発生する恐れがあるとして米国で7月末にリコールとなるなど品質にも疑問符がつく。

 現代自といえば労働組合が強力で、ストライキが頻発することでも有名だ。7月31日までの賃金をめぐる労使交渉は決裂しており、今後ストに突入して生産体制を圧迫する恐れもある。

 

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