『孤独のグルメ』が愛される理由は? 原作者・久住昌之に聞いてみた
ドラマ『孤独のグルメ Season4』が遂に、7月から放送開始。これまで、放送時には毎回SNSのトレンドに話題が挙がり、“夜食テロ”なる新語も生まれた。登場した店を巡礼するファンも後を絶たない。なぜ、このドラマはここまで人に愛されるのだろう。原作者の久住昌之にインタビューを試みた。
【関連】久住先生も登場!飲食系”同人誌即売会「グルコミ」フォトギャラリー
『孤独のグルメ』とは元々、1990年代中盤に「月刊PANJA」(扶桑社)にて連載された漫画作品。主人公は雑貨輸入商を営む中年男性・井之頭五郎。仕事の合間に食事処へふらりと立ち寄り、一人で食事をする主人公の心理を事細かに描写している。ドラマ版は、2012年から3期にわたって深夜枠で放送され人気を博した。
「時代が変わったなと思った」と切り出した久住。「僕が書き始めた頃には、女の人が1人でラーメン屋に入ったり、立ち食いソバを食べたりということがなかったからね」と振り返る。連載当時は、まだバブルの余波が残っていた。食に対する日本人の感覚は確かに変わった。しかし、本作の人気が時代の変化によるものだけではない気がする。
漫画版はシリーズ累計30万部突破の、異例のロングセラー。イタリア、フランス、韓国、スペイン、ブラジルなどでも翻訳された。「最初、“わかるわけないじゃないか”と思ったんだけど、それは大きな間違いなんだよね」と久住は笑顔で語りかける。
「僕も子どもの頃に白黒テレビで西部劇を観ていて、“なんだかわかんないものを食べてるけど、おいしそう。食べたいな”って思ったこと、あったもんね。実は日本の味を知ってるかは関係ない。主人公がおいしそうに食べている絵が、海外の人にも伝わったということでしょうね」。