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巨人の来季補強 “大本命”はオリックス・金子から中日・山井へ

日刊ゲンダイ 8月11日(月)14時14分配信

 巨人が後半戦初、6カードぶりの勝ち越しを決めた。昨10日の中日戦。坂本、阿部の連打による三回の2点を先発の大竹が七回途中1失点で守り切って8勝目(5敗)を挙げた。前日に2位の阪神に0・5ゲーム差に迫られたが、何とか首位の座をキープした。

【写真】昨オフの契約更改交渉でブ然とした表情のオリックス金子

 4位中日は自力優勝の可能性が消滅。とはいえ、巨人と中日の差はまだ5・5ゲーム。後半戦だけみれば巨人は6勝10敗1分けでリーグ最下位。この失速がセの大混戦を招いている。

 リーグ最少の389得点の貧打が取り沙汰される中、投手陣だってかなりヤバイ。この日は大竹が好投したものの、8勝中5勝をお得意さまの中日から稼いでいる。防御率は4・21。安定感を欠いているのが現状だ。9勝5敗の菅野は右手中指の故障で登録抹消中。7勝4敗の杉内も前カードでKOされた。

 左腕エースの内海はまだ2勝(7敗)。二軍調整中の沢村を含めた若手投手陣も伸び悩んでいる。佳境を迎えるペナントレースも決して盤石とはいえないチーム状況の中、フロントは水面下で来季へ向けて動き出しているようだ。

■相思相愛のはずが…

 今オフのFA戦線の目玉は、今月中にも国内FA権を取得するオリックスのエース・金子千尋(30)だ。今季、金子の登板試合には巨人の編成担当者が密着マークを続けている。球界ではすでに相思相愛なんて声も聞かれるが、「金子の心に変化が生じた」と、さる球界関係者がこう言うのだ。

「権利取得を目前にした金子は、親しい他球団の選手に『巨人には行かない』と漏らしているというのです。メジャー志向があるかはともかく、濃厚とみられていた巨人移籍の可能性が薄らいでいるのは劇的な変化です」

 巨人は今季、西武から片岡をFAで獲得した。しかし、成績不振から二軍落ちを余儀なくされている。原監督が「実力至上主義」を掲げているとはいえ、他球団から三顧の礼で迎えておいて、ちょっとダメなら即二軍。他球団の選手には「冷たいチーム」と映っているかもしれない。

 もしも金子に逃げられたら――。巨人は代替候補として、去る8日に権利を取得したばかりの中日の山井大介(36)の調査も開始したという。

 山井は8日に「現段階で先のことは考えていない。ローテを最後まで守って、やり遂げたら何か考えることがあるかもしれないけど……」と含みを持たせたコメントを発した。直後の9日の巨人戦でチームトップの8勝目(2敗)。エース級の働きでチームを牽引している。中日の球団関係者が言う。

「36歳のベテランながら、今季ただひとり開幕からローテーションを死守している大黒柱です。山井がいなかったらどうなっていたか。球団としては当然、全力で引き留める。ただ、感触としては去年の中田賢(ソフトバンクへFA移籍)のように、流出の可能性が高いとみている。大阪出身だから巨人以外に阪神も参戦してくるのではないか」

 昨オフ、巨人の原沢球団代表兼GMは「投手陣の整備は永遠のテーマ」と話していた。大本命の金子に回避の動きがあるのは巨人にとって大誤算。

 ならば……とばかりに、ライバル球団のエースの動向にも目を向けているのだろう。首位とはいえ、投打に低迷する巨人。今オフも貪欲に大補強を敢行する。

日刊ゲンダイ

最終更新:8月11日(月)15時49分

日刊ゲンダイ

 

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