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イマドキ職場のギャップ解消法 高城幸司

「遅いよ!早く言ってくれれば対処できたのに」
事後報告しかしない部下をしつける技術

高城幸司 [株式会社セレブレイン 代表取締役社長]
【第119回】 2014年8月11日
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 「事後報告ですが…」

 あなたがもし、部下からすべてが終わった後に状況を聞かされたら、どのような心持ちになりますか?「遅いよ」「いまさら」「ずるい」とネガティブな感情になりませんか?その理由は、概ね自分が「おいてけぼり」にされることが嫌だからでしょう。

 やはり報告は(可能な限り)事が終わる前に行われるべきです。ところが、実際には事後報告を繰り返す人がいます。職場での印象を良くしたいなら、こうした行為は得策には思えませんが、会社員として問題はないのでしょうか?そこで今回は、みなさんと報告のタイミングについて、じっくり考えてみたいと思います。

事前報告してくる部下、
事後報告しかしない部下

<お疲れ様です。例のプロジェクトについて相談があります。スケジュールの遅れが発生しています。役員会への報告を1週間後ろ倒しにできないでしょうか?>

 このメールの発信元は、専門商社の営業部門に勤務しているKさん(38歳)。ちなみに送信先は、Kさんの上司です。メールを受け取った上司は、

<ご苦労様。状況がわかりました。仕方ないですね。当方から役員会の事務局に、伝えて対応しておきます。引き続き、よろしく>

 と返信してきました。上司にすれば想定内のトラブルであったようです。それより、こうして事が終わる前に報告してくるKさんのような部下は、上司にとっては安心できる存在です。実はその一方で、同じ職場にKさんとは対称的な部下がいます。その部下はRさん(33歳)です。

<お疲れ様です。例のプロジェクトでスケジュールの遅れが発生しています。役員会への報告は無理なので、事務局には中止の旨を伝えておきました>

 Rさんはこのように事後報告をしてくることがしばしばです。当然ながら上司は、「どうして、上司に判断を仰いでから中止を決めなかったのか?」と指摘しますが、すると、

・連絡できる状況にはなかった
・自分を信用して任せてほしい

 と切り返して、事後報告を正当化しようとします。上司も面倒くさくなって「わかった。ただ、できる限り今後事後報告は避けてほしい」と形式的な指導をするだけで、結果的に容認する状態になっているようです。果たして、Rさんの事後報告は容認し続けてもいい行為なのでしょうか?

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高城幸司 [株式会社セレブレイン 代表取締役社長]

1964年東京生まれ。同志社大学文学部卒業後リクルート入社。営業現場では常にトップセールスマンに。96年独立・起業情報誌「アントレ」を創刊。事業部長・編集長を歴任。2004年に自ら独立をし、株式会社セレブレインを設立。経営・人事戦略コンサルティングを手がける。『営業マンは心理学者』(PHP研究所)など、著書多数。
株式会社セレブレインホームページ
高城幸司氏ブログ


イマドキ職場のギャップ解消法 高城幸司

グローバル化や女性の社会進出、上司や部下とのジェネレーションギャップなど、もはや同じ価値観を持った人とだけ仕事をすることは不可能です。そんなギャップのある人たちとの上手な付き合い方・対処法を紹介します。

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