イラク 大統領が新しい首相候補を指名

8月11日 23時37分

イスラム過激派に対し、アメリカ軍が空爆に乗り出すなど緊迫した状態が続くイラクで、大統領がマリキ首相に代わる新しい首相候補にアバディ氏を指名しました。続投に意欲を示してきたマリキ首相が反発するとみられ、イラクの混乱が一段と深まる可能性が出ています。

イラクでは、第２の都市モスルなどを制圧したイスラム過激派組織が攻勢を強め、これに対し、アメリカ軍が空爆に乗り出すなど緊迫した状態が続いています。
こうしたなか、マスーム大統領は１１日、マリキ首相に代わる新しい首相候補にシーア派の政治家ハイダル・アバディ氏を指名しました。
イラクでは、シーア派のマリキ首相が同じシーア派を優遇し、スンニ派の不満が過激派の勢力拡大を招いたとして退陣を求める声が強まっていました。
これに対し、マリキ首相は続投に意欲を示し退陣を拒否してきたことから、代わりの首相候補が指名されたことに強く反発するものとみられます。
アメリカなど各国は、今後、アバディ氏に対し、事態の打開に向けて異なる宗派や民族が参加する挙国一致の政権づくりを急ぐよう求めるとみられますが、政治的な対立によってイラクの混乱が一段と深まる可能性が出ています。