乱高下目立つ日本株、不安は地政学リスクより国内景気
[東京 11日 ロイター] - 日本株の乱高下ぶりが目立っている。地政学リスクによって翻弄(ほんろう)されているのはどの市場も同じだが、値動きがより不安定になっている背景には、消費増税による国内景気動向の不透明さがある。
企業業績は堅調だが、マクロ指標は軟化。先行きが読みにくくなるなか、実需筋が様子見に転じ、短期的・投機的な売買の影響度が大きくなっているという。
<ヘッジ売り対象の日本株>
週開けの日経平均.N225は350円高となり、1万5000円の大台を1日で回復した。前週末8日に450円安しており、いわゆる自律反発といえるが、連日、変動率が2%を超える乱高下となっているのは、日本株くらいだ。
地政学リスクの「震源地」である欧米株は、大きくても1%程度の上下にとどまっている。前週末はロシアがウクライナとの国境付近で実施していた軍事演習を終了したと発表したことから安心感が広がったが、米ダウ.DJIの上昇率は1.13%どまり。そのニュースが出る前の欧州株も1%以下の下落にすぎなかった。
前週末、日本株の下落率が大きくなったのは、流動性の高い日本株市場にヘッジ売りが殺到したことが下落率を大きくしたためだとみられている。「突発的なネガティブニュースが出た場合、流動性の高い日本株がヘッジ売りの対象となることが多い」(JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ストラテジスト、重見吉徳氏)という。日本株が金融市場全体の動きに対し、素直に動くところもヘッジに使いやすいようだ。
実際、オバマ米大統領の限定的なイラク空爆承認のニュースが最初に流れたのは、前週8日のアジア時間だったが、韓国総合指数.KS11が1.1%安、香港ハンセン指数.HSIは0.23%安と日経平均に比べ下落率は小さかった。「材料の吟味なく、ひとまず売りとなった」(国内証券)のはアジア株も同じだったが、下げ止まらない日本株の軟調ぶりが目立った。
8日に一時、27ポイント台まで上昇した日経ボラティリティ指数は低下したものの、依然20ポイント台と高水準。 続く...
不安は地政学リスクより景気
海外市場に比べ、日本株の乱高下ぶりが目立つ。地政学リスクに加え、消費増税による景気動向の不透明さが背景にある。
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