“慰安婦 強制連行”朝日記事取り消し8月5日 18時25分
朝日新聞は、いわゆる従軍慰安婦の問題を巡る自社のこれまでの報道を検証する特集記事を掲載し、この中で、「慰安婦を強制連行した」とする日本人男性の証言に基づく記事について、「証言は虚偽だと判断した」として記事を取り消しました。
朝日新聞は5日の朝刊に掲載したいわゆる従軍慰安婦の問題の特集記事で、1980年代から1990年代初めに取り上げた吉田清治氏という男性の「韓国・チェジュ島で慰安婦を強制連行した」などとする証言について検証しています。
この中で「チェジュ島を再取材したが証言を裏付ける話は得られず、研究者への取材でも証言の核心部分についての矛盾がいくつも明らかになった」としたうえで、「証言は虚偽だと判断し、記事を取り消す」としています。
また1990年代初めに書いた記事の一部で、「慰安婦」ということばと「挺身隊」ということばを混同し誤って使っていたことを認め、その理由として「当時は研究が乏しかった」としています。
そのうえで、一面の記事で「慰安婦として自由を奪われ、女性としての尊厳を踏みにじられたことが問題の本質」だとして、「これからも変わらない姿勢でこの問題を報じ続けていく」としています。
「今後も政府の立場説明」
菅官房長官は閣議のあとの記者会見で「政府としては、河野談話の作成過程の客観的な検証結果を発表した。従軍慰安婦に関する政府の立場は今後とも引き続きしっかりと説明していきたい。いずれにしろ客観的事実に基づく正しい歴史認識が形成されることを望んでいる」と述べました。
一方、菅官房長官は、アメリカ・ニューヨークの近郊で、いわゆる従軍慰安婦だったという女性たちの尊厳をたたえる記念碑が設置されたことについて「慰安婦像や記念碑の設置は政府の立場と相いれないものであり、今回の措置は極めて残念だ」と述べました。
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