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 旧日本海軍の戦闘機だった「零戦21型」の後部胴体部分の一般公開が9日、茨城県笠間市旭町の筑波海軍航空隊記念館で始まった。零戦初期の21型は国内でもほとんど現存していないという。

 後部胴体は長さ2・2メートル、高さ1・8メートル、幅2・8メートル。尾翼には日本人の蔑称を示す「JAP(ジャップ)」の書き込みがある。戦時中はラバウル航空隊に所属し、ソロモン諸島で1942~43年ごろに墜落したとみられ、ニュージーランド空軍が回収した。

 戦後、民間人に払い下げられた後、約10年前に大阪市の男性が購入し、同館に寄託した。同館が専門家に調査を依頼し、21型と特定された。

 同館の運営組織の金沢大介事務局長(43)は「これだけの部品が見つかることは本当に珍しい。『特攻隊』の原点が笠間にあったという歴史と戦争の悲惨さを、この零戦から知ってほしい」と話している。((川崎友水))