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ザックジャパンの立ち上げから、日本の攻撃を牽引してきた遠藤保仁と本田圭佑。実らなかったとはいえ、彼らが新たなオプションに挑戦していたことは覚えておきたい。
photograph by Itaru Chiba
フットボール“新語録”

ザックジャパンの戦術的な問題は、
主力と監督の“歩み寄り”が生んだ!?

木崎伸也 = 文

text by Shinya Kizaki

photograph by Itaru Chiba

「私自身も歩み寄りましたし、おそらく監督自身も
歩み寄ってくれたんじゃないかなと思う」

本田圭佑 (ブラジルW杯日本代表)

 ザックジャパンはブラジルW杯に向けてコンディション調整を失敗し、切れを欠いたまま本番を迎えてしまった――ということを前回のコラムで書いた。ただし、事前準備の疲労が足を引っ張ったとしても、すべてをそれに押し付けたら進歩はないだろう。

 他の敗因を考えるうえで、必読のインタビュー記事がある。『週刊サッカーダイジェスト』(8月5日号)に掲載された遠藤保仁のインタビューだ。

 元日本代表の三浦淳寛氏が遠藤にインタビューを行なった記事で、掲載号のバックナンバーが週刊サッカーダイジェストのWEBサイトにおいて販売されているので、もしお持ちでなければ購入をお勧めする。

「距離が近いのは、監督があまり好きじゃない」

 その記事の中で個人的に印象に残っているのが、「本田圭佑と遠藤の距離感」に関するコメントだ。遠藤は同インタビューでこう語った。

「距離が近いのは、監督があまり好きじゃないんですよね。嫌がりますね。実は去年の東欧遠征でわざとやったんです、僕と本田が。ずっと同じような攻め方をしていたら研究されるから、それを打開するために違う形を模索しようとして。あえて僕が本田に近いところにいて、細かいパスをつなぎながらの攻撃にトライしたんですよ。そんなに内容は良くなかったんですけど、内容の割には、僕は手応えを感じてましたね」

「でも、結局却下されました。そういったこともあったんで、コートジボワール戦でも細かくつなぎながら状況を打開するってことが、できなかった。もちろん、疲れの部分が大きかったんですが」

【次ページ】 「速攻」と「遅攻」でのザックのコンセプトとは。

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