丹東市や瀋陽、北京などでは、北朝鮮政府が運営する「ヘダンファ」「牡丹閣」などの食堂や「金剛山ホテル」「大同江旅館」などの宿泊業者でも北朝鮮の女性たちが売春を行って金を稼いでいる、と現地の消息筋は伝えている。中国の瀋陽地域の北朝鮮食堂で働く女性たちは、仕事が終わると毎晩カラオケのコンパニオンなどをして稼ぐほか、ホテルやモーテルで100ドル(約1万円)をもらって売春行為を行うケースもあるという。
これらの北朝鮮女性は、昼はチマチョゴリ(伝統衣装)に金日成(キム・イルソン)、金正日(キム・ジョンイル)のバッジを付けてウエートレスとして働き、夜はバッジを外して外出する。北朝鮮の女性たちは美しくて歌と踊りが上手なため人気が高く、中国現地のカラオケ店と特別契約を結び、コンパニオンとして雇われるという。また、東南アジアのマレーシアにある高麗食堂や平壌冷麺館などの北朝鮮系の飲食店に勤める女性たちも、昼は飲食店でウエートレスとして働き、夜は韓国人や中国人、現地人たちが要求すれば、売春に応じるという。
消息筋の話によると、来店客が北朝鮮女性を売春目的で連れ出す場合、1000ドル(約10万円)を支払わなければならないが、売春を行う女性が300ドル(約3万円)、支配人が300ドル、保衛指導員が400ドル(約4万円)の割合で山分けするという。北朝鮮女性を指名するのはほとんど韓国人男性だが、何度か会ううちに親しくなり、結婚を考えるケースも時々ある、と同消息筋は伝えた。
北朝鮮女性たちはこれほど搾取されながらも、多額の金が稼げる上に海外での生活も楽しめるため、海外派遣を希望する。
北朝鮮が女性たちを海外に派遣するのは、外貨稼ぎのほか、情報収集の目的もあることが分かった。対北消息筋は「北朝鮮政府が中央政府をはじめ各道の商業管理所や軍の外貨稼ぎ部隊などから中国の飲食店や奉仕所に派遣する中国語が上手な海外向け人材を選び出し、2-3カ月間の特別講習を受けさせた上で、海外に派遣している。思想事業はもちろんのこと、海外で守らなければならないことや情報事業の原則、顧客の接待、周辺の飲食店との連絡方法などを教育している」と話した。女性たちは、顧客たちの何気ない一言も聞き逃さずにメモを取り、後で報告するという。