また、日本と同じく第二次世界大戦の敗戦国であるドイツでも、長く徴兵制が行われていた。旧西ドイツで1957年から18歳以上の男子に徴兵制を実施。東西ドイツ統合後も続いた。ただ、兵役を拒否する代わりに、社会奉仕活動を選ぶこともでき、最近は兵役につくのは対象の16%ほどになっていたという。このため2011年7月に徴兵制は停止。代わりに、ボランティア役務が導入されている。

徴兵制については、若者への教育的な側面を期待する声は少なくない。かつて「ミスター円」と呼ばれた元大蔵官僚の榊原英資氏は「軍隊に入って身体と精神をきたえることは多くの若者にとってプラスになるのでは」(表現者 2010年11月発行)と語る。元東京都知事の石原慎太郎衆院議員も、週刊ポスト2011年2月25日号の「徴兵制もしくは奉仕労働で若者を叩き直せ」という特集で、「若者を救うためには、軍役に就かせるか、あるいは警察、消防、海外協力隊でもいい」と指摘する。

一方で、若者ではなく、「国のリーダーこそ自衛隊に入れ」というのは、元航空幕僚長の田母神俊雄氏だ。「まず国家公務員上級職になる者は自衛隊に半年行かせる。国会議員の国政選挙に出る者は自衛隊に半年行かせる。そのくらい決めたらいいのではないか」(表現者 2010年11月発行)と話している。

(上記以外の参考)
・読売新聞 2010年8月12日
・産経新聞 2013年9月23日
・週刊ポスト 2011年2月25日号
・外国の立法 2011・7(国会図書館調査および立法考査局)