新たな
昨日からちまちま書いてた。
テスト2日前とかやべぇ。
「ああ、えっーと、初めまして。柏井ももって言えばいいのか鳴成十矢って言えば分からないんですけどそういうモノです。」
ぺこりとベッドに座ったまま挨拶する。
「そうですね、もう外見からして柏井ももさんではないので。慣れる為にも鳴成十矢を名乗っていただけると嬉しいですね。あとDr.気持ち悪いです。十矢さんにその顔向けないでくださいよ。」
赤崎神が鳴成姓を名乗った方が良いと提言すると、途端に顔を綻ばせた(というかニヤけた)鳴成。そして、すかさず罵倒する赤崎神。赤崎神が辛辣なのか、鳴成がただのドMなのか。
「外見、ですか?」
赤崎神と鳴成のやり取りを華麗に無視し、疑問を投げかける。
「はい。まず、ヘアカラーを変えさせていただきました。あと、目は右目抉れていたので取り敢えず義眼をいれさせていただきました。ていうか、右半身ほとんどもってかれてたんで右半身ほぼ全部、機械と思っていただければいいと思います。」
割りと投げやりに言った赤崎神。
「っていうか、ほんとびっくりだよ。ほぼ左半身だけで生きてたんだからさ。」
鳴成は思い出したようにポツリと呟いた。
「は、はぁ…。」
取り敢えず髪の色を確認しようと後ろから髪を持ってくる。
(確か、腰の辺りまで伸ばしてたよね…。)
髪の長さはさほど変わっていなかった。しかし、色が劇的に違う。
「あ、あ、青色?!」
青色から水色へのグラデーション。
「ええ、Dr.の趣味です。」
真顔でつっこむ赤崎神。
「鏡どうぞ。」
「あ、どうも。……黄色?」
赤崎神からもらった鏡を見てまたまたびっくり。黄色い瞳。
「えっと…。」
「Dr.の趣味です。」
「ですよねー…。」
ひたすら真顔の赤崎神と、ゲンナリした顔のもも。そして、相変わらずニヤけた顔の鳴成。
「まぁ、人間諦めが肝心です。Dr.のことについては諦めてください。」
相変わらず真顔ではあるが語尾には(笑)が付きそうな声のトーンである。表情は無いが感情はあるらしい。
「では、ここで。失礼します。」
と、言って赤崎神は出て行ってしまった。
「何か質問はあるかな~?」
ニコニコ、ニヤニヤの鳴成。
「何で、お父さん爆発しないんですか。」
「ヒドイよッ…。」
「ウザイよ!」
「最近の子怖い!」
「お父さんの変態度がキモい!」
「目上の人にはお兄ちゃんって呼ばないといけないって日本国憲法にもちゃんと明記してあるもん!」
「そんなモンが書いてあったらとうの昔に破ってるわ!っていうか、いい大人がもんとか言うな!」
「もう、お父さんでいいアル!」
「もんの次はアルか!キャラ崩壊激しいな!第一印象返せ!」
「へぇ、どんな第一印象だったにゃん?」
「すげえイケメンいる!って思ったにゃん!だから、第一印象返せ!」
「ふむふむ」
「え、あのさ、恥ずかしくなるから突然素に戻らないで、ください。」
「さてさて、十矢ちゃん。行きますよ。」
カタンと音を立ててパイプ椅子から立ち上がった鳴成。
「はあ、えっと…。んじゃ、コード?取ってください。」
と言うと、鳴成は手際良く抜いていってくれた。
「さあ、行こうぞー。マイホームへ!」
鳴成に手を引かれながら歩く十矢の足取りは覚束ない。まるで産まれたての鹿のようだ。
こんな風にもも、いや鳴成十矢の機械としての新たな人生が始まるのであった。
「で、マイホームってどういう意味?」
「お父さんと十矢ちゃんのおうち。」
「やっぱり、爆発してください」
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。