【ワシントン=吉野直也】オバマ米大統領は9日、ホワイトハウスで緊急記者会見し、「イラクでイスラム過激派を対象にした米軍の空爆で北部アルビル攻略に使われかねない武器や装備を破壊した」と語り、空爆の成果を強調した。空爆の期間に関しては「いつまで継続するかは明言できない」と述べ、軍事作戦の拡大を示唆した。
オバマ氏はイラク北部の山頂に追い詰められた少数派住民を救出するイラク軍の作戦支援に向け「イスラム過激派への米軍の空爆準備は整っている」と表明した。「イスラム過激派の攻勢が予想よりも早かった」とも述べた。
米軍は8日、イスラム過激派「イスラム国」への集中的な空爆に踏み切った。空爆初日に一気に壊滅的な打撃を与えるためで、オバマ氏の発言はその計画通りに進んでいるとの認識を示したものだ。一方で空爆の期間は明示せず、空爆が長期にわたる可能性も出てきた。
米軍はFA18戦闘機2機がまず米東部時間8日午前6時45分(日本時間午後7時45分)に空爆を始めた。第2波は午前10時すぎ。無人機でイスラム国戦闘員の陣地を2回攻撃し、迫撃砲を破壊した。約1時間20分後にはFA18戦闘機4機でレーザー誘導弾2発を含む計8発の爆弾を投下し、7台の車列と迫撃砲陣地を破壊した。
イスラム国は軽装備でウクライナの親ロシア派武装組織のように航空機を撃墜する能力はなく、米軍の空爆により、打撃を受けた。米メディアは過激派に複数の死者が出たと報じた。
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