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心停止82分後に蘇生、愛媛62歳男性「国内最長か」

2014年8月10日6時0分  スポーツ報知

 愛媛県西予市の男性(62)が今年2月、心筋梗塞で倒れて心停止し、82分後に蘇生していたことが9日、明らかになった。その後、後遺症は見られない。搬送先の同県八幡浜市立八幡浜総合病院の上村重喜院長は「後遺症がなく回復したケースとしては、国内最長の心停止時間だったのではないか」と話している。

 同病院によると、男性は2月4日、自宅で吐き気を覚えて近くの診療所を受診後、救急車で八幡浜総合病院に搬送されたが、途中の午前9時47分に突然心停止した。車内や病院で心肺蘇生を受けており、意識は戻らなかったものの午前11時9分に心拍が再開した。

 心停止が82分間と長かったことから低酸素脳症が疑われ、同日夕に愛媛大病院(同県東温市)に転院。低体温療法を受け、2月10日に意識が回復。3月31日に退院。上村院長によると、心停止が12~13分を超えると、後遺症なしの救命は困難になるとされており「救急隊の初期救命が適切で、病院でも脳の血流を確保しながら処置できたことが救命につながったのではないか」と分析している。医療ジャーナリストの田中皓さんは「最初の処置が適切だったことと、体温を下げて代謝を落とした療法がよかったんだと思います」と解説した。

 心停止後、長時間が経過しながらも蘇生し、後遺症もなかった例では2001年、滋賀県甲賀町(現・甲賀市)の女子高生(当時16歳)が50分間にわたって心肺停止しながらも、障害を残さず回復したケースがある。その際も脳と血液の温度を低く保つ治療法が採られた。

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