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いじめられっ子に捧ぐ俺の青春。(上) 作者:神部大

第二章 不良道

ターニングポイント

 
 と、喜んでる場合ではなかった。

 内心では冷や汗ものだ。


 いつ嘘がバレるかわからないし、その内リーダーの武 (たけし)が組手でもやろーぜ。


 などと言ってきたら洒落にならない。



 嘘がバレれば…晴れていじめられっ子に降格間違いなし…… くそっ。 どうすれば…




 不安の日々の中、俺は思い付いたのだ。



 そうか!! 本当にボクシングをやってしまえばいいんだと。



 早速ママの元へ… いゃ、違う。

 中学生になる前に呼び方を変えると決めたんだ…


 「かっ、母さん! 」


 「何よ、そんな急いで。」


 (おっと、初めて母さんて呼んだのに違和感なく返事を返してくるとは… 我が母に脱帽)


 「俺さ、ボクシングやりたいんだけど… いいかな!? 」

 (…どうしょうか… 理由は。 ケンカが強く…いゃ、ダメだろ〜)






 「折角良い顔に生んであげたのに、残念ね。  パパみたいになっちゃうわよっ。」


 「いゃ!! それがなんというか、もっと体を鍛え……」


 うん?

 今、なんと言ったんだ。

 何やら予想の斜め下… じゃなくて。

 予想外な返答だぞ、母よ。


 「パパに相談してみなさい。」


 んで、早速俺は親父の元へ。


 「お、おやじっ…!」



「んっ!? 誰が親父だ!! 」

 (こちらはどうやら、いきなりの呼び名変更は無効なようだ)


 「ぃや… あのさ、俺ボクシングやりたいんだ。 やっていいかな? 」

 「は〜ん、さてはケンカだな!? 」



 少々バカにされたが、親父は微笑みながら了承してくれた。

 ジムを紹介してくれるらしく、俺は親父について荒れ狂う男共の聖地へ赴く事になった。


 これは余談だが、親父はプロではないものの、全国高等学校ボクシング選抜大会のチャンピオンだったらしい…

 ジムの会長さんにプロになればよかったのにと言われていた親父は少しカッコよく見えてしまった。



 今まで親父に怒られた事は無かったが、今後も怒られないよう最大限気を払う事にしよう。


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