日韓外相 約1年ぶりに会談8月9日 23時24分
岸田外務大臣は訪問先のミャンマーで、日本時間の9日夜、韓国のユン・ビョンセ外相とおよそ1年ぶりに会談し、いわゆる従軍慰安婦の問題を巡って、河野官房長官談話を継承していく立場を説明したのに対し、韓国側は誠意ある措置を取るよう重ねて求めました。
そして両外相は、今後も両国間の懸案事項を話し合うため、さまざまなレベルで意思疎通を図っていくことで一致しました。
岸田外務大臣は、ミャンマーで開かれているASEAN=東南アジア諸国連合の一連の外相会議にあわせて、日本時間の9日夜、韓国のユン・ビョンセ外相とおよそ50分間会談しました。
日韓外相会談は、去年9月のニューヨーク以来、およそ1年ぶりです。
この中で岸田大臣は、「日本と韓国の間には困難な問題が存在しているが、良好な日韓関係は相互の利益であり、アジア太平洋地域の平和と安定にとって不可欠だ」と述べ、関係改善に向けた協力を呼びかけました。
そのうえで岸田大臣は、いわゆる従軍慰安婦の問題を巡って謝罪と反省を示した平成5年の河野官房長官談話の検討結果を説明し、談話を継承していく立場に変わりはないとして理解を求めました。
これに対しユン外相は「日本のリーダーレベルの方々の靖国神社への参拝や河野官房長官談話の検証の強行などで、両国関係は大きく損傷された」と批判したうえで「特に歴史問題で日本側が真摯(しんし)な態度を示せば、韓国国民の心が開かれ、両国の間で複雑に絡んだ糸も少しずつほぐすことができる」と述べ、いわゆる従軍慰安婦を巡る問題などで誠意ある措置を取るよう重ねて求めました。
そして両外相は、今後も両国間の懸案事項を話し合うため、外相会談や外務省の局長級協議など、さまざまなレベルで意思疎通を図っていくことで一致しました。
会談のあと岸田大臣は記者団に対し「意思疎通を継続し深化させる重要性を改めて確認した。こうした努力を続けながら高いレベルでの対話につなげたい」と述べ、安倍総理大臣とパク・クネ大統領との首脳会談に向けて、環境整備を進める考えを示しました。
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