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2014-08-10

原爆慰霊碑の「過ちは…」という文面に「はだしのゲン」作者の中沢啓治さんも批判派だったのだろうか

| 原爆慰霊碑の「過ちは…」という文面に「はだしのゲン」作者の中沢啓治さんも批判派だったのだろうかを含むブックマーク 原爆慰霊碑の「過ちは…」という文面に「はだしのゲン」作者の中沢啓治さんも批判派だったのだろうかのブックマークコメント

今年も二つの、原爆被害を受けた日(および、スターリン軍隊の侵攻日)が過ぎた。

そのあいさつが

コピペだったことにちなんで(ちなんでない、よくやってるだろ)

このツイートを、画像とともにコピペする。

https://twitter.com/ikkyujapan/status/496799638167748609/photo/1

バンリキ魔王Jr ‏@ikkyujapan

中沢啓治氏も原爆死没者慰霊碑の文面に対し否定的であった  pic.twitter.com/NFYzU1L3BL

f:id:gryphon:20140810070526j:image:w640

この碑文の文章に関して「主語あいまいだ」「なぜこちらからあやまるのか」などの批判があり、それに対して「いや主語は全人類であって」「いい文章ではないか」という反論、擁護があることは知ってた。だが、それ以上のことは賛否も含めてあまり興味がなかった…というか別にあのままで不満は無いのだが、あの作品にこんな記述があったことは失念していた。

もちろん一般論としては、登場人物が語ったセリフは作者の思想そのままではない…のだが、そうであることもままある(笑)。それに中沢氏の才能や特異な経験はあっても、だから平和問題に関する主張がすべて考え抜かれたものでもあるまい。

 作者は既に故人、著書やインタビューを丹念に見ていけば分かるかもしれないが、上の記述から「氏は碑文に批判的だった…かもしれない」という可能性を紹介しておきます。


仮に意見が正しくても間違いでも、中沢作品の背景にあるのは「俺が体験した、俺の考え」なのだろう。

「ゲン」は、反戦反核が図式的に語られる中、ほとんど「わかってたまるか」と言わんばかりの生々しい憤怒の記録なのである。作者にとってはマンガという形をとってのみようやく語ることができたと言えよう。

 私は「ゲン」をそのまま素直に読み、素直に衝撃を受けるべきであり、そこにまた歴史社会への新しい視点も出てくることを訴えてきた。それは従来の政治教育の文脈にとっては異質な「ゲン」評価であり、中沢さんに喜ばれないのではないかとも懸念した。

 ところが、「ゲン」が文庫大判の合本になって再刊されるたびに、私に解説執筆の依頼が来た。私は編集者に、中沢さんは私のどこが気に入っているのか、聞いてくれるように言った。返ってきた答えは「この人はマンガというものがよくわかっているからだよ」であった。私は逆に、中沢さんは評論というものが、文化というものが、よくわかっている人だなと思った。

 そんな話を中沢さんと語る機会を持ちたいと思っているうちに、この訃報に接した。

評論家呉智英氏が、中沢氏の2012年訃報に接して書いた追悼文より。


「文面の主語がはっきりしない」点では、処刑A級戦犯を記念した碑の文章も相当曖昧だけどね

f:id:gryphon:20131225052114j:image

永久平和を願って」

だれが何に願うのかは不明。


以前、訪問記を書きました。

12月23日東京池袋サンシャインビルわきの公園は”聖地”になっていた…すなわち、東條英機A級戦犯の処刑日に。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131225/p2

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140810/p3