米軍イラク空爆 原油高騰を警戒「価格に影響を与える可能性」:イザ!

2014.8.9 09:00

米軍イラク空爆 原油高騰を警戒「価格に影響を与える可能性」

 米軍がイラクのイスラム過激派拠点への空爆を開始したことを受け、日本の石油元売り各社は8日、情報収集を急いだ。経済産業省も「原油価格に影響を与える可能性がある」と警戒。原油価格の動向によっては、国内のガソリン価格のさらなる高騰や、火力発電の燃料費がかさんでいる大手電力会社の経営への影響が懸念される。

 石油元売り幹部は「市場が空爆をどう評価するかで、原油価格は上昇も下落もあり得る」と指摘。経産省幹部も「ガソリン価格のさらなる上昇につながれば、商業活動に影響が出る」と懸念を隠さない。

 ただ、イラクからの原油輸入割合は約2%にとどまっており、石油業界関係者からは「日本への安定供給に直ちに影響があるとは思えない」との声があった。

 一方、8日の東京株式市場は大幅に下落した。日経平均株価の終値は前日比454円00銭安の1万4778円37銭。終値での1万5000円割れは6月17日以来。ウクライナ情勢をめぐり売り先行で始まったが、午前の取引時間中にオバマ米大統領がイラクでの限定的な空爆を承認したことが伝わると、一気に平均株価の下げ幅を広げた。

                   ◇

 8日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場はイラク情勢の緊迫化による供給懸念で続伸し、指標となる米国産標準油種(WTI)の9月渡しは午前10時現在で前日比0・33ドル高の1バレル=97・67ドルをつけた。(ニューヨーク 共同)