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国際
中国、ASEANを分断…南シナ海問題でミャンマー取り込む 外相会議
【ネピドー=吉村英輝】中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相会議が9日、ミャンマーの首都ネピドーで開かれた。会議では、ASEANの一部加盟国と中国が領有権を争う南シナ海での紛争回避に向けた「行動規範」の早期策定で一致したものの、議長国のミャンマーが南シナ海問題で「中立」を表明し、再び中国への軟化姿勢を見せるなど、中国によるASEAN切り崩しが改めて浮き彫りとなった。
交渉筋によると、中国の王毅外相は会議で、ASEANが求める「行動規範」策定に理解を示す一方、南シナ海で問題が起これば「まずは当事者同士の対話で解決すべきだ」と述べ、2国間交渉を優先させる姿勢を繰り返した。
また、会議後の会見で王氏は、南シナ海にはもはや緊張は存在せず、「安定している」と主張。共同声明にも中国の思惑通り、「南シナ海」をめぐる文言は一切盛り込まれなかった。
南シナ海問題は、日米中なども参加して10日に開くASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議でも討議される。だが、ミャンマーのイェ・トゥ情報相は、「話題にはなろうが特別声明などは出ない」と説明、「領有権問題でどちらの肩も持たない」とも述べた。
ミャンマーは今年5月のASEAN外相会議で、南シナ海で力による一方的な現状変更を続ける中国への「深刻な懸念」を声明でとりまとめ、軍政時代に深まった中国依存からの“脱皮”を印象づけたが、再び中国にすり寄った格好だ。
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