韓国:産経支局長へ出頭要請…ソウル地検、大統領記事巡り

毎日新聞 2014年08月09日 19時53分(最終更新 08月10日 02時15分)

 【ソウル澤田克己】韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権が、4月の客船セウォル号沈没事故当日の朴大統領の動静に関する疑惑追及に神経をとがらせている。当日の動静と関連して朴大統領の男性関係についてネット版のコラムで言及した産経新聞には、青瓦台(大統領府)が「民事・刑事上の責任を問う」と表明。9日付の産経新聞によると、名誉毀損(きそん)の疑いで市民団体からの告発を受けたソウル中央地検は8日、記事を書いたソウル支局長に、12日に出頭するよう求めた。

 発端は、金淇春(キム・ギチュン)青瓦台秘書室長が7月7日に行った国会答弁。大統領が、事故当日の午前10時に書面報告を受けてから午後5時過ぎに対策本部を訪れるまでに「空白の7時間」があることが明らかになった。その後、大統領はその間に24回の報告を受けたものの、すべて書面だったことが分かった。朴大統領は普段から直接聞くより書面での報告を好むとされる。金室長は、秘書官の部屋が大統領と別棟で「少し離れているので」と釈明した。

 これに関連し、韓国紙・朝鮮日報が同月17日、金室長の答弁で「大統領がひそかに誰かといた、といううわさが出た」と指摘するコラムを掲載。産経新聞(電子版)は今月3日、コラムの紹介に加え、「証券街の関係筋」の話として男性関係をめぐるうわさに触れた。

 韓国では、名誉毀損容疑での告訴や告発が多く、捜査機関が告発を受ければ、調べを始めるのが一般的だ。

 ▽小林毅・産経新聞東京編集局長の話 記事は韓国国会でのやりとりや朝鮮日報コラムの紹介が中心で、記事を理由に名誉毀損容疑で出頭を求められるというのは理解に苦しむ。

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