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日韓外相、改善へ意思疎通で一致 尹氏「関係は大きく損傷」
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会談を前に笑顔で握手する、韓国の尹炳世外相(左)と岸田外相=9日、ネピドー(共同) 【ネピドー=沢田大典】ミャンマー訪問中の岸田文雄外相は9日、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相と会談し、外相を含めさまざまなレベルで関係改善に向けた意思疎通を行うことで一致した。局長級協議を継続することも確認した。昨年9月以来の会談で、今後、安倍晋三首相と朴槿恵(パク・クネ)大統領による首脳会談の実現につながるかが焦点だ。岸田氏は米国のケリー国務長官とも会談した。
岸田氏は会談で、「両国の間には困難な問題が存在しているが、良好な日韓関係は相互の利益だ」と述べ、関係改善に意欲を示した。これに対し、尹氏は安倍首相の靖国神社参拝などに触れ、「両国関係は大きく損傷された」と応じ、現状のままでは困難との認識を示した。
岸田氏はまた、慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の河野洋平官房長官談話の作成経緯をめぐる検証結果を説明するとともに、談話を見直さない政府方針を伝えた。
尹氏は、河野談話の検証については、遺憾の意を伝えた。
岸田氏は会談終了後、首脳会談について「高い政治レベルでの対話につなげていきたい」と表明。これに対し、尹氏は「日本の政治リーダーから知恵と政治力を発揮してほしい」と述べ、「条件付き」との認識をにじませた。
これに先立ち行われた日米外相会談では、岸田氏はケリー氏に北朝鮮をめぐり、拉致・核・ミサイル問題の包括的な解決を目指す日本の立場を説明、両氏は連携して対処する方針を確認した。
米軍がイラク北部でイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に空爆を行ったことに関しても協議。ケリー氏の説明に対し、岸田氏は「日本政府はこれまでも、米国政府のテロとの戦いを支持してきた」と理解を示した。
中国の王毅外相、北朝鮮の李洙●(=土へんに庸)(リ・スヨン)外相との会談は、調整が続いている。