長崎原爆の日:「ここで働いていた」…吹き飛んだ製鋼所
毎日新聞 2014年08月09日 20時31分(最終更新 08月09日 20時49分)
しかし、「話しても分かってもらえないだろう」との思いから、被爆体験を語ったことはなかった。だが、あの写真で69年前の光景がよみがえった。「こんなに鉄骨がなぎ倒されたのに、よく人間が生き残った」。被爆した場所に行ってみたいと思い、この日、製鋼所跡から浦上川沿いを歩いた。脚をひきずりながら「69年間、原爆症が発症しないだろうかって、一日も忘れることがないんですよ」。痛みを知るからこそ、「兵器であれ、発電であれ、核は絶対に使ってはいけない」と警鐘を鳴らす。【樋口岳大】