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武器じゃない兵器だ。挙句××だ! - 『兵器人間』 - 1953ColdSummer

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武器じゃない兵器だ。挙句××だ! - 『兵器人間』


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器人間
ARMY OF FRANKENSTEINS
2013(2013)/アメリカ/<未> 監督/ライアン・ベルガルト 出演/ジョーダン・ファリス/クリスチャン・ベルガルト/ジョン・ファーガソン/エリック・ゲセカス/他 
※微妙にネタバレ有


 感動を揺さぶる映画に価値を見出すことも良かろうし、監督の高級ブランドめいて選んだ映画を殊更にSNSなどで誇示、さした政治的な映画の観方に承認欲求の飢餓を満たさんとするのも、また現代的な側面のなにがしということでまた善哉々々、個人の文化資本に映画が貢献することには変わらぬのだから。と、この『兵器人間』というパチモンタイトルの円盤を手に渋面を作りつつ、ははは、兵器々々。つて、極めて平気と温和を装いつつこれを観たのじゃが、どうしても払拭出来なんだ『武器人間』(感想)原題『FRANKENSTEIN'S ARMY』のイメージとはとんと変わって、この『兵器人間』原題『ARMY OF FRANKENSTEINS』にほんの少しの映画的感動と、伊藤園の「お~いお茶」ってお茶に呼びかけているのではなかったのかというまったく関係ないことを考えてしまった自分の何かしらのこころの吹き出物を文章に換算して書いてみたいと思うン。

 彼女を寝取られ傷心の主人公がいきなり拉致されて気付けば実験室の寝台に縛り付けられており、目ン玉えぐり取られて人造人間にはめ込まれたと思ったら装置が暴走、時空を超えるポータルが開いてしまい平行世界から出現した幾多の人造人間たちと共に南北戦争時代へとタイムスリップしてしまったのだ! 
 という自分でも何書いてンだかちょっとよく分からないお話なのですが、要するにフランケンシュタインの怪物の軍団が極めて局地的な南北戦争で地味目に暴れるお話です。

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 え? じゃあ『兵器人間』つうのはどこに? て人間として当然な疑問の声も聞こえてきそうなものですが、知るか。配給のトランスフォーマーに聞きやがって下さい。と言いたいのを臀筋で腸内ガスを抑えるかのごときにグッと堪えて申し上げますと、まあ、一応、身体の一部分を改造されたヘーキニンゲン、も出てくるわけで。

 何を隠そう(別にこの映画に秘匿する事など無いと思うが)、NTRで片目損失という気の毒な主人公の曽々々々祖父だっけ? 曽々々々々々祖父だっったっけ? 何でもいいけど寛恕たる先祖である軍人が、フランケンシュタインの怪物に腕を引きちぎられたのをこれ幸いと、いや不幸にして? 片腕に物質を一撃で消滅せしめる大砲を装着する事になるのである。そして紆余曲折を経て、リンカーン暗殺からのなにがしまでが描かれるのであるが、とても力持ちなゾンビといった風情のフランケンシュタインの怪物軍団に、南北戦争に根を張った黒人差別、チープだけど誠意のある切株描写に、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』リスペクトなタイムスリップものならではの感動もあり、「詰め込み過ぎやろ」っつう意見に耳を塞いで中々の小品に仕上がっておる。

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 主人公の片眼を移植され、視界を共有する事になったザ・ワン、オリジナルのフランケンシュタインの怪物がリンカーン暗殺に際して身を挺すところなんかもベタながら確りとアゲの文脈を踏襲しており、低予算ながらのベスト・プラクティスを模索した痕跡が窺える。
 映画なんてえ八九三な娯楽は先ず、商業化せねば我ら凡百の市井の目に止まる機会すらあまり無いわけであるが、寡聞にしてトランスフォーマーがどういう経緯でこの映画を買い付けてきたのかは分からないのだけれども、人間には抽象的な、かたち、があって、それはアイデアと呼び変えてもいいがそれを目に見える、かたち、に変えて流通させてくれるこうしたレーベルには本当に頭が下がる思いである。マイナー志向や渋好みのために配給を続けろ、と言いたいのではなく、筋道を外れたかたちからかたちへの飛躍に対して飢餓感を感じる事こそ、映画文化の多様性を担保する行為になるからだ。

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 せむし男イゴールは美少年イゴールとして翻案され、スーパー兵器を作り出す。フランケンシュタイン体系に付き物のイゴールの属性を変え、現代に生きるフランケンシュタインの善き相棒とするのは半ば共有されたメアリー・シェリー幻想であり、アンチ・ゴシックとしての逆手でもある。
 本作の製作陣(苗字から察するにどうにも身内で作っているっぽい)がそこまで考えていたのか知る由も無いが、考えていようといまいとそこまで足を踏み込んでいる事は確かで、が故に、安易な「現代フランケンシュタイン」の模倣のレースに参加してしまっているのでは、て危惧も感じないでもないのだけれども、留まり続けるには走り続けるしかない。ほで、後先考えずに猛ダッシュした結果、まさしく継ぎ接ぎの見目麗しいフランケンシュタインの怪物じみた映画、『兵器人間』が誕生したのであり、「歴史的事実を変更しない」という判断の方向性が定められたわけであります。

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 さした自己完結以外の何者でもない感想を漫談化して、実際のセールスで量らせまいとする詐欺は自分もよくやる事で、もし何かの参考に、と本エントリを読んだ方に対して罪の意識は無いのか貴様水子地蔵で頭イワされて恍惚の人になれと言われると唯々こうべを垂れるしかないのでありますが、また頭をイワされた人にとってはこうした映画が世界に対するミドルフィンガー、兵器と成り得るのも事実なのであります。


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