竹花徹朗
2014年8月9日01時29分
■(なにわびと)釜ケ崎の夫婦ぜんざい 浜口博さん(66)陽子さん(62)
大阪市西成区の釜ケ崎で60年以上続く、甘党喫茶「ハマヤ」を切り盛りする。南海萩ノ茶屋駅の高架下にある店の看板メニューは、「夏はかき氷。冬はぜんざい」。「手作り」の優しい味が、力仕事で疲れた労働者を癒やし続けてきた。
兵庫県西宮市出身の陽子さんは、大学時代から交際した博さんとの結婚を機に移り住んで37年。二人三脚で店を続けてきた。「お客さんに怒られたこともあったけど、博さんと家族を作っていくことで一生懸命だった」
高齢化が進む街。通い詰めてくれた常連客は高齢で仕事を辞め、体を壊したりして店に来ることが少なくなった。隣近所の店は廃業したり、別の店になったりし、創業当初から知る店はほぼ無い。「労働者の街から、介護の街になった。もう先細りの商売。僕の代で終わりかも」と博さん。
それでも、「久しぶりにここの氷が食べられたと、うれしそうに言ってくれる人がいる。体が続く限り2人で味を守っていきたい」と思っている。(竹花徹朗)
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