阪神−広島 6回裏1死、福留が右越えに勝ち越しソロ本塁打を放つ=京セラドーム大阪で(保田叔久撮影)
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◇阪神7−5広島
阪神が逆転勝ち。0−3の3回、ゴメスの2点二塁打とマートンの適時打で同点。6回に福留のソロで勝ち越し、7回には3点を加えた。藤浪が7イニング3失点、自身4連勝で8勝目。広島は前田が今季最多7失点と乱れた。
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値千金の一打にも、ヒーローの座は2人の投手に譲った。阪神の勝利後、藤浪と呉昇桓(オ・スンファン)がお立ち台でスポットライトを浴びている頃、福留はベンチ裏でゆっくりとくつろいでいた。
ヤクルト打線に屈し連敗で迎えた広島戦。先制されながら追いつき、同点で迎えた6回だった。1死から打席に入った福留は、PL学園の後輩・前田の決め球であるスライダーを完ぺきにとらえ、右翼へ勝ち越しの4号ソロを放った。
「決め球だし、自信を持って投げている球だからね。それをつかまえられたのはよかったんじゃないかな。狙っていても、そうそう打てるピッチャーじゃないからね」
今季は2度目の対戦でも、昨年は6度顔を合わせ1勝4敗。防御率は0・41に封じ込まれた。福留自身、7打数無安打に終わっている。それでも「昨年のことは昨年。今年は今年と割り切って考えた」と対策を練り、今季は一転、この日の本塁打を含め5打数3安打と、大先輩としての貫禄を示している。
和田監督も「ほしいところでの一発、理想的な一発」と表した本塁打は阪神に移籍して2年で10本目。昨年は1試合2本塁打を含め、チームは4勝1敗。今季は7月22日のサヨナラを含め4戦4勝。負ければ3位転落のチームのピンチを、この夜も、その一振りで救って見せた。 (中山隆志)
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