家庭動向調査:子育て困った女性が頼りにするのは夫より親

毎日新聞 2014年08月08日 20時08分

 国立社会保障・人口問題研究所は8日、2013年の「全国家庭動向調査」を公表した。既婚女性に「出産や子育てで困った時の相談相手」を聞いたところ、「親」を挙げた人が前回の08年より2.2ポイント増の46.9%に達し、過去最高となった。これに対し、「夫」は1.6ポイント減の37.8%で過去最低だった。精神的な支えとして親の存在感が増す一方で、夫を頼る女性は減っているようだ。

 調査は5年ごとで、今回で5回目。13年7月時点で、全国6409人から得た回答を分析した。

 出産・育児で困った時の相談相手を聞くと、93年には夫(51.2%)が親(33.9%)を大きく上回っていた。それが5年後の98年には、親(41.3%)が夫(39.8%)を逆転。13年は夫が過去最低となった。「子供の教育・進路を決める相談相手」は「夫」(86.8%)が大半とはいえ、この質問を初めて聞いた03年からは3.4ポイントの減。この間、同じ質問に「親」と回答した人は2.1ポイント増え、5.3%となった。

 一方、「第2子出産時の第1子の世話」や「妻が病気の時の子供の世話」といった物理的な支援は、「夫」の割合が上昇している。夫婦の育児量を100とした場合の「夫の分担割合」は前回(08年19.4%)を上回る20.2%で、初めて20%台となった。夫は精神面よりも直接的で短期・突発的な世話に対する役割が高まっている。

 このほか、「夫は仕事、妻は家庭」と考える既婚女性は44.9%と5年前(47.7%)より2.8ポイント減った。5年前は初めて増加したが、再び減少に転じた。【佐藤丈一】

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