A子は「生前、実母を殺そうとした」と知人に話していたというし、事件の3日前に「人を殺してみたい」と継母に話していたという。
■本当に医師の勧めだったのか
「A子はかなり危険な状態だった。それなのに事件が起きた先月26日、父親は新妻を連れて顧問先のパーティーに出席し、2次会にも参加していたそうです。その最中に惨劇が起きている」(前出の捜査事情通)
父親は「医師やカウンセラーなどの指導に基づいて対応していた」というが、それすら疑わしく思えてくる。精神科医の町沢静夫氏(町沢メンタルクリニック院長)が言う。
「一般的に『人も殺しかねない』状況で、一人暮らしをさせるというのは考えられません。家庭内暴力などで一時的に距離を置くのは効果的といわれますが、今回のように動物を解剖したり、父親を金属バットで殴るなど明らかに異常なケースでは、一人暮らしはかえって“妄想”が広がる恐れがあります」
実際、そうなった。
父親もA子を放置していたわけじゃないだろうが、もっと違った対応があったのではないのか。